「プレモルで、缶ビールの飲み方を変えたい」

「消費者との距離感が絶妙」田端信太郎が絶賛したプレモルの"神泡"マーケティング

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田端信太郎のマーケ道場

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サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」。通称“プレモル”。

昨年からは“神泡”という打ち出しで泡に着目したマーケティングを行い、低迷しているビール市場のなか驚異的な右肩成長を続け、2019年上半期は過去最高出荷数(※2019年1〜6月プレモルブランド出荷数量を記録しました

洗浄いらずで、缶から直接泡が出る「神泡サーバー」も話題になっています。
そんなプレモル絶好調の理由を探ろうとお呼びしたのは、「マーケターとしても消費者としてもサントリーのファン」だと公言するこのお方!
ご存知、田端信太郎さん

フリーマガジン『R25』の立ち上げに参画し、その後もライブドア、コンデナスト、LINEなどの企業で実績を残してきた、ユーザーコミュニケーションのプロフェッショナルです。

神泡ヒットの仕掛け人であるサントリービール プレミアム戦略部 課長の中野景介さんと田端さんの対談を通して「プレモルがここまで愛され売れつづけている理由」を紐解いていきましょう。
サントリービール株式会社 プレミアム戦略部 課長の中野景介さん(写真左)と田端信太郎さん(写真右)

「“神”って言いすぎでは?」とちょっと疑っていた田端さんですが…

田端さん

田端さん

ビールって大きく分けると、軽くてゴクゴク飲めるものか、濃厚でゆっくり飲む2つのタイプがあるじゃないですか。

プレモルはその両方をいいとこ取りしていて、しっかりとした味わいがありながら、みずみずしくて飲みやすいので愛飲させてもらってます。
中野さん

中野さん

ありがとうございます!
田端さん

田端さん

いまは“神泡”っていうプロモーションをやってますけど、“神”より上の表現ってないじゃないですか(笑)

この「神泡サーバー」を使うときも、正直なところ「神って言えるほどすごいのか?」と半信半疑だったんですよね。
中野さん

中野さん

実際に飲まれて、いかがでしたか…?
田端さん

田端さん

それがね、なんていうか…

泡と…キスしてるみたいでした(笑)
キ、キス…
中野さん

中野さん

(笑)
田端さん

田端さん

ほら、あの…おもちを押した瞬間みたいな弾力があって…普段の泡と全然違って!
おもち…様子がおかしい本日の田端さん
田端さん

田端さん

これがシンプルに体験として新しいっていうのもあるんですけど、「“神”ってつけるまでに何百もボツになったアイデアがあったのかな」とか、いろいろ考えながら飲んじゃいました。
中野さん

中野さん

僕らも、“神”とつけるのは正直かなりのプレッシャーでした

“神”という言葉に惹かれて手にとってくれたのに、飲んだあとに圧倒的な違いを実感できなければお客さまはガッカリしてしまいますから。

でも、プレモルの泡は“神泡”という名にふさわしいという自信はありましたし、覚悟を決めて“神”をつけたんです

“神麦芽”でも“神ホップ”でもダメ。“神泡”だから成功したマーケティング

田端さん

田端さん

ビールっていろんな要素でおいしさがつくられるじゃないですか。

そのなかでも、“泡”に着目しているのが絶妙ですよね
中野さん

中野さん

泡の成分は麦芽とホップなので、泡を売りにすると素材にウソがつけなくなるんですよね。醸造家たちの間では、泡」=「ビールの履歴書」と言われてるくらいで。
田端さん

田端さん

おもしろい。
中野さん

中野さん

だからこそ、サントリーはビール事業を始めた当初から、おいしいビールをつくるための指標に泡を置いていました。実は神泡プロモーション以前から、泡へのこだわりはかなり強かったんです。
田端さん

田端さん

以前、サントリーさんが「泡はビールにしかない価値」と言っていたのを聞いて、そのことにはじめて気がつきました。
中野さん

中野さん

ビールにしかない価値だからこそ、泡を突き詰めることが本当においしいビールを届けることにつながりますし、「泡でビールを選ぶ」という文化を広めることそのものが、ビール市場を活性化させることにもなると思ってます。
田端さん

田端さん

マーケティングを考えるときって、「とっつきやすさ」と「深さ」をどう両立させるかがすごい大事なんですよね。

つまり「みんなが知っているモノの、知らない側面をいかに見せてあげるか」って話なんですけど。
あ、いつもの田端さんが戻ってきた!
田端さん

田端さん

もしプレモルが「神麦芽」「神ホップ」と打ち出していたら、まったく響いてなかったと思いますよ

麦芽やホップにこだわるのはとても大事なんですけど、消費者からすると、距離が遠すぎる。

一方で、“泡”なら誰でもイメージできるけど、たとえばきめ細かい泡をつくるためにはどうすればいいか?など、そのことを深く知ってる人はあまりいないじゃないですか。

だから本当に、絶妙なバランスの上で成り立ってる打ち出しだなと。
中野さん

中野さん

ありがとうございます。

神泡って、「いい素材」と「いい製法」と「いい注ぎ方」のどれか1つでも妥協してしまうと生まれないんですよね。

だから、決して突飛なプロモーションをしたかったのではなく、ビールのおいしさに直結する本質価値を、プレモルにしかできないくらいまで突き詰めようと考えた結果なんです。
田端さん

田端さん

邪道かもしれないんですけど、そこまで泡を追求してるなら、泡の部分だけ別レシピにしてコーヒーの上に乗せたり、カクテルのネタにしちゃったりしてもいいかもしれないですよね。

泡ってデザートっぽい雰囲気もあるので、泡の部分だけが主役になって一人歩きするくらいでもいいんじゃないですか。
中野さん

中野さん

実は、東京駅八重洲にある旗艦店の「神泡Bar」では「神泡ミルコ」という泡だけのビールを提供してるんです。

これは実際にチェコで親しまれている飲み方なんですけど。
田端さん

田端さん

おもしろい。ビールが苦手な女性とか、ファーストタッチ層にとっては泡だけで飲むっていいかもしれないですね。

そういえば、神泡サーバーを使って家でプレモルを飲んでたとき、子どもが泡を見て、お菓子みたいでおいしそうと言ったんですよね(笑)。

でも、たしかにそうなる気持ちもわかる。この“泡”はビール観が変わる体験になりますよね

「飲用時品質」を追求しつづけて10年。その集大成が神泡サーバーだった

田端さん

田端さん

ただ僕、ひとつ聞きたいと思っていたことがあって。

グラスに注いでビールを飲む神泡サーバーをプロモーションすることが、缶で直接ビールを飲む行為を否定することになってしまうという懸念はなかったんですか?
中野さん

中野さん

社内ではそういった議論はありませんでしたね。

プレモルは販売を開始した2003年から一環して「グラスでの飲用」と「飲用時品質」にこだわりつづけてきました。その結果として行き着いたのがこの神泡サーバーなんです。

ビールをお客さまに口にしていただくまでには、さまざまな人たちが関わっていますが、どのレイヤーでも「お客さまの口に入る瞬間のおいしさ」を一番に追求しています
中野さん

中野さん

なので、たとえコストや手間がかかっても、「飲用時品質」に基づいて一気通貫した戦略を立てているんです。

神泡サーバーも、飲食店で提供しているクリーミーな生ビールをなんとか自宅でも手軽に飲めるようにしたいという想いから誕生しています。

家庭内飲用時品質」の向上も10年以上前から挑戦していて、今回の神泡サーバーはそのひとつの集大成と言っても過言ではありません。
田端さん

田端さん

たしかに、これはプロモーション目的でサッと思いつくものじゃないですよね。
中野さん

中野さん

そうなんです。

それに、僕たちは神泡サーバーをプレモルについてくるおまけではなく、プレモルをおいしく飲んでいただくためのブランディングツールだと考えています
中野さん

中野さん

実際、「お店の生ビールみたい」「ビールを飲むこと自体が楽しくなった」という声をたくさんいただいてます。

プレモルが誕生したときから変わらない「ビールを飲む時間を豊かにしたい」という想いが、徐々にカタチになってきているのかなと。
田端さん

田端さん

コーヒーが好きな人って、わざわざペーパーフィルターを使って淹れるじゃないですか。

神泡サーバーもそれに近くて、たしかにひと手間かかるんですけど、ニヤニヤしながらビールを注いじゃう感じ。ついでにグラスも冷やしておいて…みたいな。

あ、でもこれ水洗いもいらないからひと手間もないか。
中野さん

中野さん

そうなんですよ。神泡サーバーを持ち歩いてもらって、外でもおいしいビールを飲んでほしいなと思ってます。

いつかこれで缶ビールの飲み方を変えることができるんじゃないかと、密かに夢を抱いてるんです。

プレモルがやるべきは、「モノづくり」ではなく「文化づくり」

田端さん

田端さん

僕、前職ではお仕事でサントリーさんにお世話になっていたんですけど、よく発表会などで「サントリーは宣伝の力を信じています」と言われていたのがすごく印象的で。
田端さん

田端さん

たしかに、付加情報なしに“商品の良さだけ”で勝負するって難しいんですよ

たとえば、同じワインでも、ソムリエに紹介してもらいながら飲むのと、自分1人で飲むのとでは味わいが変わってくる。

いいものをつくることはもちろんだけど、そのうえで伝え方を工夫しているところが、ビジネス視点からみても素晴らしいなと。
中野さん

中野さん

僕たちがやるべきは、単にモノをつくるのではなく、そこからはじまる文化や物語をつくることだと思ってるんです

プレモルのミッションは、「飲んでくれた人の豊かな時間をつくる」ことですから。

味わいに加えてこういったエモーショナルな部分を大切にしてきたからこそ、縮小するビール業界のなかで右肩成長を続けてこられたんだと思っています。
田端さん

田端さん

そういう取り組みって時間もかかるし、直接的な効果も見えづらいから、継続するのが難しいですよね。

景気のいい時期に2〜3年やるくらいならどこでもできますけど、サントリーさんはもう数十年もやってきている。これは本当に、普通の会社にできることじゃないんですよ

世の中ここまでモノが溢れかえってしまったら、「シーン」をつくっていかないと選ばれないんですよね。だから、“モノ”より“コト”をつくる感覚で仕事してるんだろうなと
中野さん

中野さん

さすが田端さん、くわしいですね(笑)。

おっしゃる通りで、われわれは「これを売ろう」「シェアを伸ばそう」と考える前に、「何かこれで楽しいことができないかな」と考えるんですよね。

プレモルをいかに売るかも大事ですが、それよりも純粋に「楽しいことがしたい」という人間が集まっている。だからここまでやってこれたと思います。

ブランドに関わる人すべての力がつながって“神泡”は成立している

田端さん

田端さん

今日お話を聞いて、新R25の読者には、神泡にかけるこの総合力を感じながらプレモルを飲んでほしいと思いましたね(笑)。
田端さん

田端さん

もうだいぶ前ですけど、バリ島で現地の魚市場に行ったことがあって。

そこで衝撃だったのが、魚市場なのに魚が乱雑に置いてあって、ハエがたかっても追っ払わないんです。
中野さん

中野さん

それはひどいですね…
田端さん

田端さん

それを見て思ったのは、日本の寿司文化だって、きっとどれだけ腕のある板前さんがいてもダメなんだろうなと。

漁師が船の上で魚の血を抜いて、仲買人が温度管理をして、板前さんの腕があって、これがチェーンのようにつながってはじめて一流の寿司を口にできる。
中野さん

中野さん

まさにプレモルが「飲用時品質」を追求してきた姿勢とおなじですね。
田端さん

田端さん

だから、バリ島に久兵衛のシェフを連れていっても、1人だと意味がない

プレモルもおなじで、ブランドに関わる人すべての力がつながってはじめて“神泡”が成り立ってるんですよね
中野さん

中野さん

本当にそうなんです。

たとえば、「神泡」を提供いただいている飲食店さまにはサントリーオリジナルの(泡を出す)ノズルを提供しているのですが、きめ細かい泡をつくるために、泡を出す穴が通常よりも小さくて、さらに毎日洗浄しないと詰まってしまう。

正直、不便な点も多いと思うんです。
中野さん

中野さん

なので、毎日洗浄していただけるという約束と、時間をかけてでもおいしいビールを提供したいという想いに賛同していただいた飲食店さまにしか、そのノズルはお渡ししていません。

それでも「神泡店」はかなり増えていて、現在ではおよそ37,000店ほどに導入していただいています。

神泡にしたらビールがたくさん売れるようになった」と評判になって、実際にビールの注文が増えたらしいんですよ。
田端さん

田端さん

ほ〜! でも、営業は本当に大変だったでしょうね

予想ですけど、中野さんのような方がまず営業を集めて「いいから飲んでみてよ!」って説得して、「うまいな」と感じた営業が、レストランや居酒屋の店長さんに「まず飲んでください!」って説得しにいく感じじゃないですか?(笑)
中野さん

中野さん

まさにそうです(笑)。

それでも、プレミアムビールを名乗っている以上、おいしさを徹底的に追求することが僕らの責任でもあるんです。
田端さん

田端さん

「どう飲むのか」までセットになってはじめて神泡ってできるから、もはや消費者もつくり手になってますよね

いや〜、これは飲みたくなってきます(笑)。

これにて取材は終了。ただ、せっかくなので…

中野さん

中野さん

せっかくなので、最後にぜひ一杯飲んでいきませんか
田端さん

田端さん

え、いいんですか?
「ではでは、お言葉に甘えて…」
田端さん

田端さん

これ、注ぐときにシューって音がしますよね。
中野さん

中野さん

超音波が、1秒に4万回振動しているんです。この振動で神泡ができます。
ゴクッ
田端さん

田端さん

あ〜、おいしい!
中野さん

中野さん

田端さん、ここを見てほしいんですが、グラスの横にくるっと線がありますよね?
田端さん

田端さん

ありますね。
中野さん

中野さん

これを当社では「エンジェルリング」と呼んでいるんですが、きめ細かい泡はグラスにくっ付くので、これができるのは良い泡である証拠なんです。
田端さん

田端さん

なるほど。すごいキレイに出てますね。

ちなみにこれ、家で他社のビール缶にはめてみたんですけど、ピッタリでした

…そうやって使っちゃってもいいんですか?(笑)
中野さん

中野さん

大丈夫です。

お客さまにもよく聞かれるのですが、逆に飲み比べていただければ、泡の違いがわかると思うので
中野さん

中野さん

ただ、これは素材・製法に徹底してこだわっているプレモルしかできない。それ以外で使っても“神泡”にはならないんですよ

…なのでぜひ、プレモルで圧倒的においしい泡を愉しんでもらいたいです!
想像以上に奥深かったプレモルのウラ側。

ここにたどりつくまでの、プレモルに関わる一人ひとりの想いの積み重ねがあってはじめて、私たちは極上の“神泡”を味わうことができるんですね。

そして最後は、われわれが「神泡サーバー」をつかうことで、“神泡”のマーケティングは完成します。

神泡サーバーは現在、スーパーや酒量販店で「ザ・プレミアム・モルツ」または「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール」を12缶または24缶を購入するともらえるそう。

…ちなみに、こんな話を聞いてしまったので、筆者はもうプレモルしか飲めない身体になってしまいました。

これにて原稿を書き上げたので、お先に神泡で乾杯してきます!
ザ・プレミアム・モルツ/プレモル ビール サントリー

ザ・プレミアム・モルツ/プレモル ビール サントリー

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〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉