部下・後輩の“上司いじめ”が横行?

掟やぶり!「逆パワハラ」の実態

2012.03.15 THU


研修をしたり相談窓口を設置するなど、職場のパワハラ問題に取り組む企業も多い。パワハラに関する悩みは会社に相談してもいいかも
イラスト/坂本綾子
これまで「上司から部下への行為」というイメージで語られてきたパワハラ。しかし、厚労省の設置する「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」が新たに提案した定義によると、パワハラは上司から部下に対するものだけでなく「同僚間」や「後輩から先輩」「部下から上司」への行為も含まれるという。たとえ部下・後輩の立場でも、上司・先輩に対する「職場内の優位性」を背景に嫌がらせを行う場合、パワハラにあたるというのだ。

例えばある飲食店では部下が中傷ビラを撒くことで店長を降格させるという事例が。ここまで極端なケースは滅多にないにせよ、部下が上司をないがしろにするようなシーンは意外と多いもの。たとえばIT企業では、上司よりも部下や後輩のほうが知識面で勝っていることも珍しくなく、そうなると上司も強い態度に出づらいようだ。こうしたケースは厚労省にも報告されているという。

本誌が300人に実施した「後輩から先輩に対するパワハラ事情」についての調査でも、全体の約16%が「気の弱い先輩・上司の業務指示を、後輩・部下が無視する状況を見た」と答えている。ほかにも「身体的特徴に対して侮蔑的な発言をする状況を見た」のは約14%と、業務とは無関係のハラスメントを目撃している人もいる。

しかし、現場を目撃した人が少なからず存在するのに対し、「実際に後輩・部下からいやがらせを受けた」と答えたのはたった4.3%。後輩からの失礼な態度を「ハラスメント」として捉える人はまだまだ少ないようだ。とはいえ、「飲み会に誘われなかった」(34歳)、「頻繁にもらいタバコの要求をされる」(25歳)など、“パワハラ”にあたりかねない行為は意外と少なくない模様。先輩や上司へのなにげない行為が気づかないうちにパワハラにならないためにも、立場にかかわらず職場でのマナーには気を配っていきたいものですね。
(有栖川匠)


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