教育されぬまま“戦力外”扱いの酷

「社内ニート」20代に急増中

2012.11.01 THU


「社内ニートへの対策としては、人事評価制度をしっかりと機能させること。社員ひとりひとりの仕事と目標を明確化することが大切です」(山元さん)
イラスト/坂本綾子
会社に行っても仕事がない…そんな「社内ニート」が近年増えているという。

内閣府の調査によると、今年9月時点で全雇用者の8.5%にあたる最大465万人が「雇用保蔵」状態。つまり「社内ニート」と呼ばれる状態にあるそう。「雇用保蔵」とは、実際の常用雇用者数と最適な雇用者数の差のこと。要は、必要以上の人員を企業が抱えている状態ということだ。

2005年から2007年頃まではほぼゼロだったという雇用保蔵は、リーマンショックによる景気の低迷で急増した。企業の生産活動が縮小して仕事が減ったためだ。

「人員が過剰になっても簡単に解雇できない雇用法令も、社内ニートを増やしている一因でしょうね」

そう語るのは日本人事経営研究室株式会社の代表取締役・山元浩二さん。日本では整理解雇の条件が厳しく規定されているため、企業が過剰人員を抱え込まざるを得ないというわけだ。

さらに昨今、別の理由でも社内ニートが増えているという。特に懸念されているのは20代若手社員の社内ニート化だ。

「以前のように職場で育成する余裕がなくなり、意欲の高い若手社員でも放置されるケースが目立ちます。仕事に必要な能力が身につかないためいつまで経っても仕事を任せられず、結果として社内ニートになってしまうんです」

実際R25編集部が「職場に社内ニートがいるか?」と20~30代の会社員100人に調査したところ、29%の人が「いる」と回答。また「身近に20代の社内ニートがいる」の回答も、45%に上った。さらに「社内ニートは職場でどう過ごしている?」という質問には、「一日中ネット」「寝てる」など悲しくなるような答えが…。教育もせずに放置とはひどい話だが、文句を言っても始まらない。社内ニートになりたくなければ「教えてもらえなくても、先輩から仕事のやり方を盗む!」くらいの貪欲さが必要のようだ。
(有栖川匠)


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