フジロック出演→ベンチャー社長の「成長の源」は?

VASILY金山氏「本を読まないやつは人間じゃない」

2016.02.01 MON

個性派社長のお悩み相談室


金山裕樹(かなやま・ゆうき) 株式会社VASILY代表取締役CEO。1978年生まれ、37歳。大学在学中にインディーズバンドを結成。2000年にはフジロックフェスティバル出演を果たす。バンド解散後はヤフーに転職。新規メディアの立ち上げなどを経験した後、2008年にVASILYを設立。代表的な事業である「iQON(アイコン)」は、会員数200万人を超える、日本屈指のファッションアプリ (撮影=森カズシゲ)
若手社員ならではの悩みを個性派経営者にぶつけ、意見を授かる連載。ビジネスの最前線を走るリーダーの金言には、明日への扉を開くヒントがあるかもしれない。

お話を伺うのは、株式会社VASILY創業者の金山裕樹氏。フジロック出演のバンドマンからネット企業の社長になった異端の経営者は、ITの力で「人類の進化に貢献する」という壮大な野望を掲げている。

注目ベンチャーのトップとして、己と会社を日々進化させ続けている金山さんに伺うのは、「成長するために必要なこと」。日々仕事に追われるだけで成長を実感できないともがくビジネスマンに向け、金山さん自身が実践している成長のための思考と行動について聞いた。


●SNSやウェブの情報収集だけに頼っていると、脳が退化する

200万の会員数を誇るファッションアプリ「iQON」を運営するVASILY。2012年にはAppleの、2014年と2015年にはGoogleのベストアプリを受賞し、ファッションアプリとして史上初めて両社のベストアプリを受賞するという目覚ましい成果を上げている。だが、金山氏によれば、会社も社員も、金山氏自身もまだまだ成長過程。「人類の進化に貢献する」という最終目標を達成すべく、日々己を磨いているという。

では、具体的にはどんなことを実践しているのだろうか?

「月並みで申し訳ないですが、ひとつは読書。僕は本も読まないやつはもう人間じゃないと思っています。うちの会社の採用面接で必ず読書習慣のあるなしをチェックするのですが、読書習慣がない人が通過することはありません。僕自身、どんなに忙しくても1日最低30分は必ず本を読みます。朝起きてすぐと、寝る前に。あとはトイレでですね。社員にも本をもっと読んでほしいから、たまに僕の机の上に本をわざと山積みにしておいて、これくらい読めよ! って無言のアピールをしています。本当はKindle派なので、紙の本はほとんど買わないんですけどね」

最先端のウェブサービスを手掛ける社長がSNSなどによる情報収集ではなく、読書というアナログな手法を選択しているのはやや意外な気もする。なぜそこまで読書に重きを置いているのだろうか?

「確かにFacebookやTwitterなどのSNSは手軽で便利な情報収集ツールですが、それだけを情報源にするのは好ましくないと考えています。情報は鮮度も大事ですが、質や強度が何より重要だからです。時間とコストをかけて編集・執筆された本、特に時間的な淘汰をくぐり抜けてきた歴史的な名著などには、人生を生き抜くための超良質な栄養素が詰まっています。本になっているような、誰かが考えに考え抜き、時間による淘汰も超え今でも使われているようなフレームワークには普遍性があります。それを自分たちなりに解釈して仕事に取り入れ、より大きな成果を得る。僕らビジネスマンは、そうした努力をし続けなければならない」


●脳をフレッシュに保つため、週に50km走る!

また、読書以外にも金山さんが大切にしていることがある。それは「常に肉体をフレッシュに保つ」ための習慣づけだ。

「肉体をフレッシュに保つといっても、筋骨隆々であれとか、フルマラソンを3時間で走れとか、そういうことではありません。脳みそがクリアで思考に集中できる状態にしておくために、健康的な肉体を維持するという意味です。僕らの仕事は一瞬の思考のひらめきやひとつの意思決定の精度が大事で、それらを起点にして事業が成長し、「人類の進化に貢献する」ということが可能になると考えています。そのためには、二日酔いしてちゃ駄目だし、風邪ひいてても駄目。自分にとって脳がクリアな状態に整えておく生活習慣を大事にしているし、社員にもそれを求めています」

脳をフレッシュに保つための習慣は人それぞれ。どんなに忙しくても趣味の時間を持つことだったり、家族との時間を大切にしたりといったことでも構わないという。ちなみに、金山さんの場合、それは筋トレなのだとか。

「時期によってメニューは変えるんですけど、今は週2回の体幹トレーニングと、週1回の筋トレに加え、週50km走ることを目標にしています。これは毎週欠かさずやってますね」

ただ、やたらと鍛えまくればいいというわけでもないらしい。

「自分の場合は、脳みそが最も働く体脂肪率を維持することを心がけています。僕だとそれが12~13%。本当はカッコつけたいので、ひとケタ台にしたいんですけどね。過去に体脂肪率をひとケタ台まで落としたことをあるのですが、鏡に写った自分を見てテンションは上がるんだけど、そこまでやると食べ物にかなり気を使わないといけなくって、頭がぼーっとするんですよ。だからそれはやめました。手段は何にせよ、自分にとってベストな状態っていうのを経験によって定量化(=数値化)して、それを維持するメンテナンスを行うことが大事なんじゃないでしょうか」

(榎並紀行/やじろべえ)

■個性派社長のお悩み相談室 第11回

  • 【金山社長のモットー】

    「仕事の悩みは仕事でしか解決できない」
    仕事で悩んだとき、他のことでストレスを発散するのはまったく意味がありません。仕事の悩みは仕事でしか解決できません。飲みに行って現実逃避をしているヒマがあったら、逃げずに目の前のことに立ち向かう。それが唯一の解決策です。時間が解決してくれることはまずないので、早めに手をつけないと、さらにヒドイ状態になってしまいます
  • 『いちばんやさしいグロースハックの教本』(インプレス)

    注目の成長戦略「グロースハック」について、業界の第一人者である金山氏と共著者の梶谷健人氏が解説。自社製品を育てた経験をもとに、すぐに役立つ実践方法を体系的に紹介している

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