「ハック」+「マラソン」=?

IT業界で流行「ハッカソン」とは

2013.02.06 WED


1月21日・22日に開催された「goo presents Challengers 2013 WINTER」内のハッカソンでは、大学生と学生ベンチャーの連合チームによる“横スクロールアクション英語学習ゲーム”が最優秀賞を受賞した
最近、IT業界でハッカソン(Hackathon)が流行中だという。なんだか耳慣れない言葉だけど、実はこれ、「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語で、プログラマーたちが技術とアイデアを競い合う開発イベントの一種なのだ。例えば、フェイスブックを一躍有名にした「いいね!」ボタンも、もともとは同社のハッカソンを通じて誕生した機能だとか。今では大手IT企業がこぞって開催に乗り出しており、ヤフージャパンやグーグルが定期的に社内ハッカソンを行っているほか、オープンに参加者を募るハッカソンイベントが国内でも多数催されている。

ハッカソンは単なる開発コンテストとは異なり、「24時間でひとつのサービスを作り上げ、壇上で聴衆にプレゼンする」という超短時間勝負のルールが特徴だ。ひとつの空間に集められた参加者たちは、思い思いにチームを組んでアイデアを出し合い、意見を交換しながら徹夜でプログラミングを行う。そして翌日のプレゼンでもっとも支持を集めたサービスが優勝! なるほど「マラソン」というだけあって、肉体も精神もキツそうだ。

「時間的、環境的な制約の多いハッカソンでは、ただプログラミングがうまいだけでは勝てません。新しい発想による企画力、それを形にする技術力、仲間同士のコミュニケーションから進行管理まで、サービス開発に必要なあらゆる能力が求められるんです。また、120秒程度の短いプレゼンを通じていかに聴衆を引き込むかが勝負の決め手なので、パフォーマンス力は特に重要ですね」

と語るのは、今年1月に行われた開発イベント「goo presents Challengers 2013 WINTER」のプロデューサーであるNTTレゾナントの河村智司氏だ。学生から本職のエンジニアまで全61人が参加した同イベント内のハッカソンでは、わずか一晩で23ものサービスが生み出された。プレゼンはどれも個性的で、素人の筆者も見ているだけでワクワクしたほどだ。

「IT企業がハッカソンを主催する目的は多々ありますが、新しいサービスや機能に関するアイデアやヒントを発掘できることは大きいですね。内容によっては、製品化を目指して本格的なプロジェクトになることもありえます。一方の参加者にとっては、出会った仲間同士で知識や技術を交換し合ったり、自分の腕を披露したりして人脈を広げられることが醍醐味。とはいえ、それほどストイックなものでもなく、目新しい開発ツールに触りたいという好奇心で参加するプログラマーも多いんですよ」

一種の“お祭り”的な側面もあるが、Webサービスの開発競争がますます激化する現在において、ハッカソンは主催者と参加者の双方にとって“次の一手”を見つけ出すための貴重な実験の場なのかもしれない。
(呉 琢磨)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト