梅干し、しょうが、しそ、緑茶…民間伝承の真相は?

「わさびで食あたり予防」は本当?

2015.05.30 SAT


食中毒には細菌性のものとウイルス性のものがあり、夏場に増加するのが細菌性の食中毒だ。細菌が増殖することはもちろん、夏バテで体の抵抗力が落ちることも食中毒にかかってしまう一因 画像提供:noboru/PIXTA(ピクスタ)
気温が高くジメジメしている梅雨時は、細菌が繁殖しやすい時期。そこで気をつけたいのが、O-157やサルモネラ属菌などをはじめとする細菌性の食中毒だ。調理器具を清潔に保つ、食品をよく加熱するなどの対策はよく知られている。

そこで、気になるのが昔ながらの民間伝承でもある梅干しやわさびなどの食品で“食あたり”を防ぐ方法だ。「一緒に食べると食あたりになりにくい」と言われているこれらの食材は、本当に効果はあるのだろうか? 

「先人の知恵というのは優れたもので、昔から『食べ物が傷みにくい』『食あたりの症状に効く』とされていた食品の中には、科学的に裏付けされているものも多くあります。それらの食品を効果的に使用すれば、食あたりになりにくくなるといえるでしょう」

そう教えてくれたのは、一般社団法人健康栄養支援センターの栄養士・諏訪淳子さん。そこで諏訪さんに、食あたり防止に効果がある代表的な食材と、その作用や使用法を聞いた。

●梅干し
梅に含まれるクエン酸・リンゴ酸などの有機酸は殺菌作用が強く、体内に入り込んだ細菌の繁殖を抑えてくれる。また胃腸に存在する悪玉菌を減らす働きもあるので、胃腸機能の向上にも効果的。暑い季節の食べ物の腐敗防止にも有効なので、夏場のお弁当に入れるのがオススメ。

●わさび
わさびに含まれるアリルイソチオシアネートは抗菌作用が比較的強く、O-157などの細菌をはじめ、酵母やカビなどに対しても効果アリ。おろして生の魚や肉と一緒に食べるのもいいが、気化した状態の方がより抗菌効果が高いとされており、食品と共に包装して容器内部をアリルイソチオシアネート蒸気で満たして微生物の増殖を抑制する製品も存在する。

●しょうが
辛み成分であるジンゲロールに殺菌作用があり、薬味として生食のものと一緒に食べると食あたり予防に一定の効果がある。しょうがを加熱すると発生するショウガオールにも殺菌作用があるため、火を通して使ってもOK。ただし、酸素にふれると殺菌作用が弱まるので、おろして使う場合はできるだけすぐに食べること。皮の下に成分が多く、皮ごと食べる寿司のガリは合理的な使い方なんだとか。

●しそ
しその香り成分であるペリルアルデヒドに強い抗菌作用があり、食中毒予防にも一定の効果アリ。生のまま刻むことで効果が高くなるので、薬味として使用すると良いだろう。また、ペリルアルデヒドが嗅覚を刺激し胃酸の分泌を促すと言われており、夏バテ時に取り入れれば食欲を増進してくれる。

●緑茶
緑茶に含まれる茶カテキンには、殺菌作用、抗毒素・解毒作用があり、多くの病原菌に対して抗生物質と同じような作用をする。例えばO-157の場合、日常飲んでいる濃度の緑茶を1ml飲むことで、3~5時間のうちに約1万個の細菌を完全に殺菌。食事中や食後に緑茶を飲めば、胃腸で食中毒原因菌の毒素に対して殺菌作用を発揮して、食中毒を予防しやすくなる。

●酢
酢の主成分である酢酸は、細菌の成分を変性して死滅させるため、食中毒予防に効果がある。ほとんどの菌は、お酢の中で10分以上は生きられないとされており、酢漬けやピクルスなどの調理法は、食品を長期保存する方法として一般的だ。

このほか、ニンニクやネギなど定番の薬味にも、一定の殺菌効果があるという。日頃からこうした食材をうまく取り入れ、食あたり防止に役立てよう!
(有栖川匠)

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