「無法地帯」のイメージはもはや昔!

これならコピー動画も歓迎? YouTubeの著作権管理システムがすごいことになっていた

  • 芸能・エンタメ
  • 2017.10.31
  • by 新R25編集部

見逃したテレビ番組やライブ配信などを見たいと思った時、つい頼ってしまうYouTube。正直ボクたちにとってはありがたいけど、見ているものの多くは明らかな違法コピー動画。なかには、テレビをモニターごと撮影したお粗末な映像がアップされていることも…。

いつまでこの無法地帯が続くのかと思いきや、実ははウラ側では管理がかなり進んでいるのだとか! YouTubeの驚きの著作権管理システムを紹介する。

正規のコンテンツ所有者が動画を登録。YouTubeの著作権管理システム「コンテンツID」

出典Youtube

YouTubeが映像や音源などのコンテンツの著作権所有者に対し、提供しているのが「コンテンツID」という仕組みだ。これによりコピー動画を見つけることができるという。

どういう仕組みで違法なコンテンツを発見できるのだろう? コンテンツIDに詳しい専門家に話を聞いた。

テレビ局や音楽レーベルなどのコンテンツ所有者が『コンテンツID』に音源や映像を登録(アップロード)し、登録された音源や映像から、『参照ファイル』というチェックリストが作成されます。この参照ファイルとアップされた動画を比較することで、所有者の許可なくアップされたコピーコンテンツを発見することができるのです」

YouTubeのヘルプページによると、コンテンツIDに登録する際、次の3つのオプションを選択できるようだ。

1. (所有者以外がアップロードしようとした動画を)閲覧できないよう動画全体をブロック
2. 動画に広告を表示させて動画を収益化し、場合によってはアップロードしたユーザーと収益を分配する
3. その動画の再生に関する統計情報を追跡する

出典https://support.google.com

1はコピーだと判断できた時点で動画をアップできないようにするということだが、気になるのは2だ。

コピー動画が権利者の収入源になる仕組みも!「PPAP」は関連動画の再生が公式の6倍以上だった

なんと、現在のYouTubeにはコピー動画の投稿を許可し、そこから権利者が収益を得られるという仕組みがあるらしい。

出典Youtube

昨年大ブレイクしたピコ太郎の「PPAP」。オフィシャル動画が1億回以上再生されただけでなく、世界中の人が「PPAP」をマネた動画をYouTubeにアップした。このことで、権利所有者のピコ太郎サイドに広告収益が入るわけだ。

これを報じた2016年11月の「日経産業新聞」の記事によると「非公式とコラボレーションを認めたものを合わせた関連動画は7万件以上あり、再生回数は公式の6倍以上の5億回に達している」とのこと。

日本を飛び越えて世界中でカバーされた『PPAP』

非公式なコピー動画をブロックするだけでなく、収益化に活用できるなんて合理的な発想の転換! 権利者にとってはうれしい仕組みだ。

ちなみに、3つ目のオプションの「動画の再生に関する統計情報を追跡」を選ぶと、コピー動画の投稿を許可した場合に、どの音楽や映像がどんな動画で使われて、いつ、どの地域で再生されたかを確認することができる。「コンテンツの意外な人気の芽や使われ方が見えるので、商品展開や次回作の検討に使えるメリットになりえる」とのこと。

なお、「コンテンツIDには登録してなかったけど、たまたま自分が権利を持っているコンテンツが違法コピーされているのを見つけた!」という場合は、事前にもろもろの確認をしたうえで「著作権侵害の通知」ができるのだそう。

「ライブをスマホで撮影した動画」も「歌ってみた動画」もコピーとして見つける!驚きの検知精度

gettyimages

ところで、コンテンツIDがコピー動画を検知する精度はどれくらいなのだろう?

過去にYouTubeのプロダクトマネージャーが語ったところによると、すでに2012年の時点で「テレビ画面を撮影した映像」「ミラー反転した映像」「色味を変えた映像」などは検出可能だった。

これだけでも十分すごいが、たとえば歓声やノイズが入っている「ライブやフェスの撮影動画」も元の楽曲がコンテンツIDに登録されていればコピーとして検知できるとのこと。

では、コンテンツIDに登録されている曲を一般人がカバーした動画は?

「断言はできませんが、アメリカのYouTubeブログにはコンテンツIDはカバーバージョンも見つけられると記載されていますので、技術としては可能でしょう」

「歌ってみた・弾いてみた」系の動画も判定可能だとは。となると、やはりピコ太郎は相当稼いだのだと予想できる…!

動画共有サービスとしては他の追随を許さないYouTube。ふだんはなかなか気づかないけど、こういった健全化や権利保護にかける姿勢もその地位を確固たるものにしているのだろう。

オリジナルの楽曲や動画を制作している人は、これからコンテンツIDへの登録を忘れずに!