ノーベル平和賞も受賞した銀行!

“貧者の銀行”が日本進出へ。貧困層への融資で「返済率98%」を実現する仕組みとは?

経済・マネーby H14

通称貧者の銀行。バングラデシュの「グラミン銀行」が日本進出のための準備段階に入ったという。2018年夏には「グラミン日本」が営業を開始するかもしれない。世界的に評価されているようだけど、どんな特徴があるのだろうか?

バングラデシュの貧困を減らし、ノーベル平和賞を受賞。貧困層への融資なのに返済率は98%!

gettyimages

グラミン銀行の創始者であるムハマド・ユヌス氏

グラミン銀行は貧困層に向けて、無担保で少額の融資をする「マイクロファイナンス」をおこなっている。この活動によりバングラデシュの貧困を減らしたことが評価され、2006年に創設者と銀行がノーベル平和賞を受賞した。

しかし、貧困者向けの金融ビジネスで思い返されるのがリーマンショック。低所得者向けの住宅ローンの貸し倒れが相次いだことが原因で大手投資銀行のリーマンブラザーズが倒産し、世界的な恐慌を引き起こした。

同じようなリスクがありそう…と思いきや、グラミン銀行の返済率はなんと98%! そのウラには、貧しい人たちへの融資を安定したビジネスにする画期的な仕組みがあった。

融資先の97%が女性。女性は借りた資金をきちんと就労・起業資金に活用する

出典

ロイター/アフロ

まずひとつめのポイントは、「女性に貸す」ということ。2009年の段階では、なんと融資先の97%が女性! そもそも、女性は男性より家族のためにお金を使う傾向が強いといわれている。融資された資金が遊びに使われず、きちんと就労・起業資金として活用されやすいため、その後の返済にもつながるというワケだ。

さらには女性を融資対象とすることで、家庭内での女性の地位向上にも役立っているという話もある。

「5人1組」が条件。6週間で返済しないと次のメンバーに貸付が行われない「グラミン方式」

もうひとつの特徴は、顧客5人による互助グループをつくらせる「グラミン方式」だ。ただし、互助グループといっても他のメンバーの分を代わりに返済する義務はない。ではどのように機能しているのか。

大和証券のマイクロファイナンス特集のなかに、グラミン方式の概要が説明されている。

口頭試験で誠実さや真剣さが認められると貸付が承認されるが、いきなり5人全員に融資が行われるわけではない。各グループはリーダー選出し、リーダーを除く2人に最初の貸付がなされ、6週間できちんと返済がなされれば次の2人に貸付が行われる。それも返済されればグループのリーダーに貸付が行われ、このサイクルが繰り返されると、与信枠は拡大していく。

出典http://www.daiwa.jp

すなわち、自分の返済が滞れば他のメンバーに迷惑をかけてしまうし、他のメンバーの返済が遅れれば自分に順番が回ってこないということ。自然と返済プレッシャーを感じつつ、メンバーの手助けをしようという意識もはたらく仕組みになっているのだ。

グラミン銀行のこうした活動により、孤立しがちだったバングラデシュの女性たちのコミュニティが生まれ、絶対的貧困(最低限の生活も営めないような状態)からの脱出や、子どもたちの就学率上昇に大きな貢献を果たしたことが報告されている。また、この「グラミン方式」を活用したマレーシアでは、プログラム参加世帯の9割が絶対的貧困を脱することができたという。

いよいよ日本進出が伝えられた「貧者の銀行」。格差や貧困が問題視される日本の救世主となるだろうか。

〈文=竹内みちまろ(H14)〉

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