「ゆるキャラグランプリ」は2020年で終了…?

ゆるキャラ界にも“格差問題”… ブーム終焉のいま「ゆるキャラの経済効果」を振り返る

  • 経済・マネー
  • 2017.12.17
  • by 新R25編集部

2017年で8回目となった「ゆるキャラグランプリ」。今回の日本一は、千葉・成田市の「うなりくん」に決定!…したみたい(汗)。

正直ゆるキャラはもう食傷気味で、一時期のブームは落ち着きつつある。しかしこのタイミングだからこそ、そんなゆるキャラが地域にもたらした「経済効果」をおさらいしてみたい!

ゆるキャラがもたらす経済効果は、「キャラクター利用商品の売り上げ」と「観光収益」のふたつ

ゆるキャラがもたらす経済波及効果の種類は、主にふたつに分けられる。

ひとつは、キャラクターを利用した商品の売上。経済波及効果の多くを占めるのがココだ。単独のキャラクターグッズをはじめ、地域の伝統工芸品とのコラボなど、人気キャラクターほど数多くの関連商品が発売されている。

「ひこにゃん」キーホルダー

[画像]「ひこにゃん」キーホルダー

「くまモン」マグカップ

[画像]「くまモン」マグカップ

「せんとくん」ボールペン

[画像]「せんとくん」ボールペン

もうひとつは、観光収益。ゆるキャラが登場するイベントなど、“ゆるキャラきっかけ”で地域に足を運ぶ人が増えた結果としての経済効果だ。

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人気モノになれば、キャラクターはさまざまなイベントに引っ張りだこだ

くまモンの経済効果は2年で1200億以上!? 「ライセンス料0円」戦略が功を奏した

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「ゆるキャラ」関連商品の売上に対しては、自治体が販売元に一定のキャラクター使用料を課すことがある。有名な「ひこにゃん」や「せんとくん」は、使用料を売り上げの3%に設定。

一方で、その使用料を無償としたことで、結果的に莫大な経済波及効果を生んだ「ゆるキャラ」もいる。ゆるキャラ界のモンスター、「くまモン」だ。

熊本県は、県の宣伝になるか、県産品の販路拡大に役立つ場合には、無償で「くまモン」の使用を認めた。結果、「くまモン」の露出は圧倒的に増え、続々と作られた関連商品もバカ売れ。

当然熊本県庁にはキャラクターの使用料は入らないが、経済波及効果は2011年11月から2013年10月までの2年間で1200億円以上になったと日本銀行熊本支店が試算。県内の産業が活発化すれば結局税収も増えるので、この方針がもたらしたメリットは大きかったようだ。

また、「くまモン」ほどではないにせよ、ほかの「ゆるキャラ」が生み出す経済効果も全然ユルくない。2013年に「ゆるキャラグランプリ」で優勝した「さのまる」でも、優勝後の1年間で佐野市にもたらした経済波及効果は226億円にのぼるという。

「くまモン」には及ばずとも、「ゆるキャラ」界では大健闘の「さのまる」

着ぐるみ製作費、管理費、宣伝費…ランニングコストに耐えられず、大規模“リストラ”を敢行した自治体も

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人気のあるゆるキャラが大きな経済効果を生み出す一方で、まったく知名度が上がらないゆるキャラも想像以上に多い。今年度の「ゆるキャラグランプリ」のエントリー数はなんと1158体1県平均で約25体のゆるキャラがエントリーしたということになる。

公益財団法人東京市町村自治調査会が行なった2015年の調査によると、「着ぐるみの価格は国内製だと50~100万円(サイズやパーツの多さ、形状等により異なる)、商標登録は区分数にもよるが概ね50万円程度」の費用がかかるらしい。

これ以外にも、着ぐるみの保管費用クリーニング代、イベント参加の際の運搬費人件費に加え、無名のゆるキャラは自らを売り込むための広告宣伝費もかかる。自治体の規模にもよるが、年間1000万円以上の税金をゆるキャラに費やしている自治体も少なくない状況だ。

そんななか、最近では効果の上がらないゆるキャラへの税金投入に批判的な自治体も出てきており、大阪府は「モッピー(現:もずやん)」を残し、残りの44体を2014年にリストラした。

44体の同僚を蹴落とし(?)見事生き残った大阪府のゆるキャラ「もずやん(旧名:モッピー)」

2017年度の「ゆるキャラグランプリ」のエントリー数は、2016年のエントリー数を下回ったという。西秀一郎実行委員会会長は、同イベントを2020年をメドに終了させることを検討しているとも発言。

どこか寂しさを感じるけど、実はまったくユルくなかったゆるキャラたちの過酷な生存競争は、今後ますます熾烈を極めそうだ。