「戦術不足」に「賭博の影響」も?

衝撃のW杯予選敗退! 急激に弱体化したサッカー・イタリア代表が抱える闇とは

  • 芸能・エンタメ
  • 2017.12.05
  • by 新R25編集部

2018年はロシアW杯! “にわか”としても今から盛り上がる準備はしておきたいところだ。

…と思っていた矢先に「イタリア代表が予選で敗退」というまさかのニュースが! イタリアといえば2006年のドイツ大会での優勝を含め、過去4回W杯優勝に輝いている誰もが知ってる超強豪国。

じつに60年ぶりの予選敗退らしいけど、いったいなぜこんなことが?

両サイドから高いボールを前に送るだけ。「カテナチオ」からゴールにつなげられなかった

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イタリアは最後までスウェーデンの集中した守備を崩すことができなかった

サッカーにくわしいライターのT氏は、このように話してくれた。

「イタリア代表の伝統的なスタイルは『カテナチオ』(堅い守備を重要視する戦術)ですが、いまでも相変わらず堅守を誇っていて、そこは衰えていないと思います。今回のイタリア代表の問題点は、その堅守から攻撃につなげることができていなかったことでしょう。これはヴェントゥーラ監督の戦術が批判されています。守備型のチームは、堅い守備によって奪ったボールをどうするかが問題になるわけですが、今回の戦いを見ていると、両サイドから高いボールでゴール前の選手に送る…という流れを繰り返しているだけでした。『戦術のパターン不足』だと思います」

W杯の予選プレーオフでは、イタリアはスウェーデンと2試合したものの、0-1、0-0という結果。1ゴールも決められてないですもんね…。

「スウェーデンは大型DFが多く、サイドから上げたボールをことごとく奪われていました。現在のサッカーでは、このような状況で柔軟に対処するため、戦術のパターンを複数持っていないと厳しいです」

強力な育成システムを確立した他国に比べて、目先の勝利を重視する「セリエA」の育成はお粗末

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インテルなど、人気クラブは多いが…

またかつては、バッジオ、トッティ、デル・ピエロなど多数のスター選手がいたイタリア代表だが、現在ではそれに肩を並べるスター選手はいない。

その原因のひとつはイタリアの育成システムにあり、特に「それぞれのクラブの育成がひどい」と指摘されている。

クラブレベルで育成に対する取り組みが軽視されており、また育成年代のエリートがトップリーグで主力としてプレーするまでの段階的な成長と成熟のルートがシステムとして確立されていない

出典http://www.soccerdigestweb.com

セリエA、Bのクラブの多くは、目先の勝ち負けにこだわるために、トップチームの戦力強化に資金を投下する一方で、育成やトレーニング施設といった長期的な視点に立った投資を渋る傾向が強い

出典http://www.soccerdigestweb.com

(サッカーダイジェストWeb「【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 後編:連盟と育成の機能不全」より)

かつてはそれでも、伝統のもとに多数の有望選手が育ってきた。しかし、各国、各クラブが強固な育成システムを作り上げている現代サッカーにおいては、比較してしまうとどうしても優れた選手が誕生しにくいというのが実情だろう。

イタリアサッカー界に八百長が蔓延。マフィアとクラブの結びつきが強く、健全な環境にない

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自らも“ギャンブル狂”だというブッフォン

さらに、これらの要素と絡み合っているのが、セリエAに蔓延する賭博問題。セリエAでは、シーズン中の重要な試合ですら賭博の対象とされ、『Number Web』の記事によると、ダービーマッチ(ライバルチーム同士の伝統的な一戦)でも、以下のような八百長行為が行われていたという。

4月に逮捕されたアタランタDFアンドレア・マシエッロの生々しい自白内容も衝撃を呼んだ。昨年夏までの2シーズン、セリエAプレーヤーとして彼はバーリの中心選手だった。11年5月15日、レッチェとのプーリア・ダービーでマシエッロは自殺点を献上し、チームは0対2で敗戦した。

「見返りは5万ユーロ(約500万円)だった。あのオウンゴールはわざとやった」

出典http://number.bunshun.jp

また、元代表GKのレジェンド選手・ブッフォン(現ユベントス)も八百長行為を容認するかのような発言をしている。

「もし、ある2チームが互いに引き分けを狙うのであれば、外野がとやかく言うことじゃない。1人の死人より、2人のケガ人の方がマシ」と、2チーム間による故意のドローゲームを容認するかのような発言をした代表主将ブッフォンには批判が集中している。

出典http://number.bunshun.jp

スター選手がこのような発言をしているようでは、それぞれのクラブに「健全な若手の育成を!」なんて望むのはムリそうな状況だ。

しかし、なぜイタリアでだけこんなに賭博が横行するの? ほかの国でもギャンブルは人気だけど…。

「たしかに賭博はイタリアだけの問題ではないです。ただ、イタリアの場合は賭博を仕切っているマフィアのボスの息子やマフィアグループの下っ端が、『クラブのサポーター集団のトップ』なんていう場合もある。マフィアとクラブのつながりが非常に深いので、選手を直接脅したり、八百長を持ちかけたりする構造ができているんです」(T氏)

ネットでギャンブルができる「オンラインベッティング」は世界中で人気になっており、セリエAを対象とする賭博によるマフィアの儲けはどんどん大きくなっているといわれている。

カッコいいアズーリ(青の意味。イタリア代表の愛称)をW杯の舞台でまた見たいところだけど、問題はかなり根深そうだ。

〈取材・文=天野俊吉(新R25編集部)〉