コンセプトは「田舎のおじいちゃんからの手紙」
こじはるもファン。長文なのに読んでしまう「しいたけ占い」はなぜ女子の心を掴むの?
2014年からWebマガジン『VOGUE GIRL』で連載をスタートして人気を集め、2017年12月に発売した2冊目の著書『しいたけ占い 12星座の蜜と毒』は、Amazonの売れ筋ランキングで13位にランクイン(2017年12月20日現在)している。
しかし、そんな「しいたけ占い」の何がそんなにウケているのだろう?
読ませるキャッチコピー力と、“当たってる!”と思わせるバーナム効果をうまく活用
『VOGUE GIRL』で公開された「2018年上半期の運勢」を見てみると、獅子座の場合、「2018年のあなたは『山岳モード』から『南国モード』になっていきます」と書かれている。
ん? 山岳モード? 南国モード? これだけでは何のことかさっぱりわからず、ついつい続きを読みたくなってしまう…。こんな仕掛けが文章の至るところに散りばめられていて、読者を引き込むのだ。
「誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な内容を“自分に当てはまる!”ととらえてしまう心理現象を『バーナム効果』と呼びます。しいたけ氏は文章力がある方なので、“山岳モード”のような面白いキャッチコピーを取り入れながら、このバーナム効果をうまく取り入れているのだと思います」
そのふたつは「ジメッとしたモード」と「カラッと したモード」です。「ジメッとしたモード」はふてくされてしまったり、自分が持っている力をすごく過小評価してしまって「いいよ、私なんて」と言ってしまっている状態。そして「カラッとしたモード」は本来のあなたが持っている「子どものような無邪気な魅力」です。
本来、あなたはみんなの前に登場するだけで「何か面白いことが起きそう」と注目が集まり、あたり一面がパーッと無邪気に明るくなるような楽しい空間にさせていく力を持っているのです。
ふつうの占いとはひと味違う具体的な表現やアドバイスに、つい“自分ゴト化”させられる
$天秤座は疲れたら「ピー。音声は入力されておりません」と完全シャットダウンモードになるので、メールとか返信がなくても優しく毛布をかけておいてあげましょう<br /><br />きっと自分を回復させるプリンを食ったら帰ってきます。<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%A4%A9%E7%A7%A4%E5%BA%A7?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#天秤座</a>
最初にお伝えしたいことがあって、もし可能なら2泊以上の旅行なり、ひとりで10キロぐらい歩いてみるなり、そういう「体を動かしながら自分と向き合える時間」を持ってみてください。
これがつい自分ゴト化させられてしまい、実践してみたくなる占いの秘密なのだ!
「田舎のおじいちゃんからの手紙」のように。決して否定しないコンセプトが現代の女子にマッチ
「ひと昔前は、『このままでは不幸になる』などといった厳しい言葉でドキッとさせる占いが流行っていましたが、今は、占いでも人の心に寄り添うやさしい表現が好まれる風潮があります。その点、このしいたけ占いは決して順位をつけたり、否定したりしない。“あなたはこういう人間だから、このままで大丈夫”というメッセージを感じるので、ポジティブな気持ちになれるんです」
『WWD JAPAN』のインタビューで、しいたけ氏はこんなことを話している。
一方、日本ではまだまだ敬遠されがちで。そのため、不満や不安が爆発してから病院に行ったり薬を処方してもらったりすることになり、症状が重く治りにくくなってしまいがちなんです。
だったら愚痴や弱音を吐ける場所、ニュートラルに緊張や不安を話せる場所が作れればいいなと思ったんです。
$あなたのすごいところって、とんでもなくやさしいところがあること。<br /><br />誰かのために働いていても、縁の下の力持ちになっていても、「私が好きだからやっていただけ」ってニコッと笑ってくれる。<br /><br />他人の前で疲れを見せたくない。<br /><br />でも確かに、あなたは今やり遂げてきた人ですよ。少し休んで。<a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%AD%9A%E5%BA%A7?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#魚座</a>
スピリチュアル的な占いのイメージを払拭。ユルいイラストやSNS発信の“身近感”もポイント
$天秤座インスタLiveありがとうございました!また今日から明日までの24時間は再生できるそうです。<br /><br />VOGUE GIRLのページで下記の⭕️をクリックして下さいませ<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%89%8B%E6%9B%B8%E3%81%8D%E7%94%BB%E5%83%8F?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#手書き画像</a> <a href="https://t.co/1EhGcuKyHP">pic.twitter.com/1EhGcuKyHP</a>
SNSも積極的に活用し、頻繁にTwitterやインスタライブなどで情報を発信。そんなSNSを通じた身近さも女性に人気の理由だろう。
「雑誌の占いコーナーは文字数が決まっていて、端的に伝えることを主眼に置いていますが、WebやTwitterの“連投”で展開するしいたけ占いは文字数制限もないので、読んでいるうちに引き込まれていってしまうのでしょう」とNさん。
現代の女子の心を掴んではなさない「しいたけ占い」。普段占いにあまり興 味がない…というR25男子も、これを読めば女性の気持ちがわかるかも!?
〈取材・文=新R25編集部〉