シンガポールではスゴイ経済効果が

カジノだけじゃない巨大リゾートができる!日本版「IR」有力地とその構想は?

  • 経済・マネー
  • 2018.01.04
  • by 新R25編集部

最近ニュースなどでよく耳にする「IR」。コレは「Integrated Resorts」の略称で、カジノを含む統合型リゾートのことを指し、訪日外国人観光客を集めるプロジェクトのひとつとして日本国内への設置が注目されている。

しかし、カジノ誘致の何がそんなに話題になっているんだろう?

「IR推進法」が成立し、カジノが法的に解禁。税収や雇用促進など、大きな経済効果が期待できる

出典

ロイター/アフロ

日本にカジノリゾートを作るうえで問題なのは、刑法で禁じられている「カジノ」の運営を許可しなくてはならないことだった。しかし、2016年12月15日の衆議院本会議で「IR推進法」(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)が成立。これにより、日本にカジノができる道が開かれたのだ!

カジノ解禁によるメリットは、カジノ税収入など新規財源の創出や地域での雇用促進など、その経済効果がメイン。

また、『東洋経済オンライン』の記事によると、

IR施設全体のうち、カジノ部分は面積では5%未満に過ぎませんが、売上高では80%以上を稼ぎ出します。IRの収益メカニズムは、施設全体が集客し、カジノ部分が集中的に収益化、マネタイズする仕組みです。

逆に言えば、カジノという強力な収益装置が存在するために、カジノ以外の施設(面積では95%以上)は、収支を必要以上に気にすることなく、十分にコストをかけて、最高のサービスの開発し、集客を拡大することだけに専念できます。

出典http://toyokeizai.net

との見解もあり、これはすなわち「カジノの周辺施設ではお得な料金でサービスを受けられる可能性がある」ということ。観光客にとってもメリットがあるのだ!

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ラスベガスでは各ホテルで無料のショーを開催。特に「ベラージオ」というホテルでおこなわれる迫力満点の噴水ショーが人気だ!

お手本はシンガポール? 2つのカジノリゾートを開業した結果、わずか1年で観光客数20%アップ

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これが「マリーナ・ベイ・サンズ」。デザインは海から入ってくる船がホテルを門に見立て、シンガポールの関門という意味を表している

IRの話をする際に、「成功例」としてよく挙げられるのがシンガポール。10年前まで、日本と同じようにカジノは禁じられていたが、2008年にカジノ解禁を決断。

SMAPが登場したソフトバンクのCMでもおなじみの「マリーナ・ベイ・サンズ」、海底水族館やユニバーサル・スタジオ・シンガポールがある家族客向けの「リゾーツ・ワールド・セントーサ」と、2010年に2つのカジノを含む統合型リゾートを開業している。

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「リゾート・ワールド・セントーサ」には、東京ドーム約10個分の敷地内にユニバーサル・スタジオ、海洋水族館、水のテーマパーク、ホテル、カジノなどが集約されている

両施設とも開業以来順調に客足を伸ばし、2009年に968万人だった海外からシンガポールへの観光客数は、2010年には1160万人と1年で約20%も伸び、2014年には1550万人に。

年間観光収入は2009年の126億シンガポールドルから、2013年には235億シンガポールドルまで拡大
。“国際観光立国政策”に大きく貢献しているのだ。

日本でも多くの自治体が誘致に乗り出している。有力地は北海道、横浜、大阪、長崎あたりか

では、日本国内にIRができる場合、一体どこにできるのだろうか?

じつは現在、さまざまな自治体が手をあげているところ。なかでも、北海道(釧路市、苫小牧市、釧路市、留寿都村)、神奈川(横浜市)、大阪(大阪市、泉佐野市)、長崎(佐世保市)などが有力だ。

長崎県佐世保市にある大型リゾート施設「ハウステンボス」もカジノ誘致先の有力候補として浮上

ちなみに、IR構想が持ち上がったときから最有力候補だった「お台場カジノ構想」は、石原都政の時に実現かなわず、それを引き継いだ猪瀬直樹氏が不透明な金銭トラブルで失脚。

その後舛添要一氏が知事になるとIRに関しては一気に失速し、現在は表立った活動をしていないようだ…。

日本版IRはどうなる? 北海道苫小牧市の案は「グランピング施設に野外フェス会場」など壮大

IR構想に手をあげている自治体は、すでにさまざまな構想案を発表している。大阪府大阪市は、大阪湾の人工島・夢洲を国際観光拠点とする「夢洲まちづくり構想案」を発表。

核となるカジノのほか、ホテルや商業施設、「MICE」と呼ばれる国際会議・展示施設など、誘致を目指す万博後を見据えてエンターテインメントを体験できる拠点を計画

島内にはロープウェイやモノレール、水路を設ける場合には水上交通も検討し、シンガポールのマリーナベイ・サンズに対抗するビルの設計や都市景観を目指しているという。

大阪府・大阪市IR推進局「夢洲まちづくり構想(案)について」より

また、2017年11月14日には、ラスベガスなど5カ国47カ所でIRを手掛けるシーザーズ・エンターテインメント社が、北海道の苫小牧市に「事業構想を提案した」というニュースが報じられた。苫小牧市によると、事業者からの構想提案はすでに15社もあり、うち8社が海外企業だという。

シーザーズ社の構想は、カルデラ湖を模した噴水を、ホテルや劇場、ショッピングモールなどが取り囲むという壮大なモノ。大型会議場や劇場、カジノ、豪華なキャンプ「グランピング」施設、野外音楽フェスを開催できる屋外劇場などもつくるのだとか…!

「苫小牧市総合型リゾート(IR)可能性調査・検討結果報告書」より
「苫小牧市総合型リゾート(IR)可能性調査・検討結果報告書」より

カジノを含む統合型リゾートができれば、訪日外国人だけではなく、ボクたち日本人の旅行先としても楽しくなりそう。

ギャンブルには自信がないけど、どこに決まるのか楽しみに待ちたい!

〈取材・文=新R25編集部〉