新書『ズルイ食べ方』で栄養士が提唱!

ラーメンならあえて“トッピング全部のせ”!? 糖質を味方にする「足し算食べ」のコツ

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ダイエットや健康維持のため、「糖質オフ」などの食事制限がもてはやされる昨今。しかし、極端に何かを制限する食べ方はリバウンドすることがわかっており、栄養のバランスを崩すことにつながってしまうという。

著書に『太らない間食』(文響社)がある管理栄養士の足立香代子氏によると、重要なのは、摂取するカロリーの数字ではなく、“糖質の吸収のされ方”を考えることだ。彼女が、著書『医師が信頼を寄せる栄養士の糖質を味方にするズルイ食べ方』(ワニブックス)で推奨しているのは、「足し算食べ」。

食べる量を減らすのではなく増やすというのだが、どういうことだろうか?

炭水化物摂りすぎは血糖値が急上昇→急下降し空腹を感じる。何かを足して腹持ちをよくしよう

炭水化物はエネルギー源として身体に吸収されやすく、血糖値を急上昇させると同時に、急降下させます。実はこの急降下によって、すぐにお腹が空いてしまうのです。ですから、炭水化物には足し算をして、腹持ちのよい食事に変えていきましょう。

出典 『糖質を味方にするズルイ食べ方』(P.48)

これが「足し算食べ」の基本的な論理。なるほど、空腹を感じるのは、食事で上がった血糖値が急降下することが原因だったワケだ。炭水化物以外を“足し算”することで腹持ちのよい食事になり、次の食事で炭水化物を摂りすぎるのを防ぐことができる

さらに、食後に血糖値が急上昇している状態を「食後高血糖」というのだが、これが常態化してしまうと、糖尿病や認知症、心筋梗塞、アルツハイマー発症のリスクも跳ね上がるとか。ダイエットだけでなく、健康のためにも、「足し算食べ」を心がけたほうが良さそうだ。

炭水化物に「油をプラス」しよう! 腹持ちが良くなり、次の食事のドカ食いを防げる

「足し算食べ」にあたって推奨されているのが、炭水化物を食べる際に、油を足すこと。いかにも太りそうな組み合わせだが…例えば、白米とチャーハンであれば、後者を選んだ方が、血糖値が急上昇しづらいのだという!
油を使ってご飯をコーティングし、チャーハンにします。ご飯が油をまとうと、消化吸収のスピードが緩やかになり、糖質による血糖値の急上昇を抑えることができるのです。さらに、卵やハム、野菜も入れると栄養バランスも良いです。

出典 『糖質を味方にするズルイ食べ方』(P.25)

油を摂ったらカロリーが増えてしまうのでは、という声があります。しかし、油を使うことで腹持ちが良くなり、次の食事でドカ食いせずに済み、結果的に太りにくくなるのです。

出典 『糖質を味方にするズルイ食べ方』(P.27)

使用する油は、オリーブオイルやゴマ油などヘルシーなものがオススメだとか。

また、「足し算食べ」の応用テクニックには、「噛み応え」の足し算もあるという。春雨スープなど、噛まずに飲み込んでしまうメニューを選んだ場合、サラダチキンを入れるとしっかりと噛んで食べることになり、腹持ちがよくなるという。

「後食べ」も有効! 皿が分かれているメニューを選び、先におかずを3分の2ほど食べよう

本書が「足し算食べ」にくわえて勧めているのが、「炭水化物の後食べ」。おかずとご飯を交互に食べるのではなく、最初におかずを食べ、ご飯は後回しにするのだとか。
胃の出口が油を含んだおかずで阻まれ、炭水化物が身体に入るのに時間がかかり、血糖値の上昇が緩やかになるのです。おいしく食べるには、まずおかずを3分の2ほど食べ、それからご飯を食べ始めます。まだおかずは残っていますから、白飯だけを食べ続けることにはなりません。

出典 『糖質を味方にするズルイ食べ方』(P.31)

この「後食べ」のためには、極力避けるべきメニューがある。それは、丼ものなどのオールインワン食
カレーやパスタ、ざるそばなどを選ぶなら、セットにサラダをつけたり、そばにかき揚げや天ぷらをつけるなどして、先に何かを食べられるような工夫をしましょう。

出典 『糖質を味方にするズルイ食べ方』(P.33)

可能であれば、皿が分かれている定食を選ぶのが無難なようだ。

ラーメンは“トッピング全部のせ”で! チャーシューやゆで卵、メンマなどを「先食べ」しよう

では、実際にどんなメニューを選び、何を足すべきなのか、実例を見ていこう。

例えば、日本人の大好きなラーメンはオールインワン食の代表格だ。麺は炭水化物で、スープは塩分たっぷりという、いかにも不健康な食べ物だが、「足し算食べによって」“ズルい食べ方”をすることは可能。なんと、あえてトッピングの全部のせをするべきだという。
ここでも大切なのは『炭水化物の後食べ』です。真っ先に麺にいきたいところですが、そこは我慢しましょう。ラーメンの追加注文でトッピングをして、具だくさんの豪華ラーメンにします。

(中略)

チャーシューやゆで卵、メンマ、ほうれん草、のりもやし、などがありますね。のり1枚やもやし少量などの栄養価は高くありませんが、先にこれらの具材を食べることでたんぱく質や脂質を摂ることができ、後から麺をたべる『炭水化物の後食べ』につながります。

出典 『糖質を味方にするズルイ食べ方』(P.71)

ちなみに、コーンのトッピングは厳禁。これは野菜というより穀物のため、炭水化物の食材なのだ。

この他にも、サラリーマンには必須の「アルコールの正しい飲み方」などを含め、数十通りの実例が掲載されている。「ちょっとお腹周りが出てきたな…」「ジムに行くのは面倒だけど、体型維持したい」。そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ本書を手にとってみてほしい。

〈文=ブルトン森〉