「見切り発車は成功の元」

はあちゅう&ゆうこすが語る「消えていくビジネスマン」3つのタイプ

仕事
記事提供:20’s type
大企業に入っても安心しきれない時代。会社員であっても、企業に依存せず “個人の力”を磨くことが求められるようになってきた。そんな中、「もしも企業の後ろ盾をなくしたら、自分は生きていけるのだろうか…」と危機感を覚えるビジネスマンもいるだろう。

ではこれからの時代、生き残るビジネスマンになるために「個」の力を磨くにはどうすればいいのか? “個の力=自分の名前で食っていく力”を体現する、作家のはあちゅうさんとインフルエンサー・ゆうこすさんの対談から、ヒントとなる3つの法則が見えてきた。

2018年2月の「ホリエモン万博」内で語られた、講演の一部を紹介しよう。
モテクリエイターのゆうこすさん(写真右)作家のはあちゅうさん(写真左)

1. 捨てられないビジネスマンは消えていく――「常に新しいことを入れるスペースをつくって」

「未来の作家のカタチをつくる」をスローガンに活動している作家のはあちゅうさん、「モテクリエイター」として人気のインフルエンサー・ゆうこすさん。まさに“自分の名前で稼ぐ”を実践している二人は、「仕事で躍進する為には、捨てる勇気が必要だ」と語る。

「私は以前、オンラインサロンの運営が自分の収入の大半を占めていたことがありました。でも今年は新しいことをやってみようと、思い切ってオンラインサロンを全部辞めてみたんです。新しいことをする為には既存の仕事を捨てて、新しいスペースをつくる必要があります。今までと同じことをやっていても、5年後には衰退しちゃうかもしれない。過去の成功体験に頼らずに、新しいことをやって新しい人に見てもらって、活性化させることが大事だと思うんです」(はあちゅう)

「私は今後、“ゆうこすを支持してくれる女の子たち”を支援したいと思っています。その為に企業に『ゆうこすが無料で商品をPRする代わりに、女の子たちにサンプル商品をプレゼントしてほしい』という交渉をし始めました。今ゆうこすの企業PR費は収入の大半を占めていて、月に数百万円はあると思うんですけど、その収入を捨てて女の子たちへの支援を選んだ。PRでの広告収入の分は、他のところで稼ごうと思っています。いつまでもゆうこすのPR広告で稼いでいくには、無理がありますしね」(ゆうこす)

やりたいこと、新しいことを始めるためにスペースを空ける。その取捨選択は難しいが、「成功した過去に捉われることなく将来性を考え、捨てるものと注力するものを選んでいく」ことがポイントのようだ。

2. 分析力のないビジネスマンは消えていく――「自分のことを説明できないなんてありえない」

2人は仕事の取捨選択を重ね、常に“新しいもの”を生み出している。だが彼女たちは「ゼロから新しいものはつくれないから、既存のものをいかにうまく使うか」を重視しているのだという。

「例えば私たちが今からYouTubeをつくろうと思うと難しい。でも既存のサービスならいくらでもあるから、それをいち早くキャッチアップして自分ならどう使おうかと考えることが、今後求められるスキルだと思います」(はあちゅう)

「私はそれが得意なんですよ! 新しい機能を誰よりも早く使いこなして、ゆうこすならこう使うよっていうのを発信する。それが私の特技なんです」(ゆうこす)
「確かに、ゆうこすちゃんはそういうのが得意だよね。いろいろなツールを使って情報発信しているけど、ファンは中高生の女の子が多いの?」(はあちゅう)

「いや、バラバラですね。YouTubeを視聴してくれるのは98%が女性、15~20歳くらい。インスタ、Twitterなど媒体によっても老若男女違います。アクティブユーザーでは、という視点だとまた話は変わってきます」(ゆうこす)

「そうやってすぐに数字で話せるってスゴイね」(はあちゅう)

だって今後、分析ができない人って死んでいきますよね。自分のことを説明できないなんてあり得ないと思うんです。はあちゅうさんも前に言っていましたけど。企業に言われたことをそのまま受けるんじゃなくて、すり合わせていかないと良いものはできないですから」(ゆうこす)

「なかなか自分からは言いづらいことだけど、分析を基に意見する必要があるよね。私たちなら『自分のフォロワーはどんな人で、どんな投稿がウケるんです』って企業に言えないと、広告主は広告費を無駄にするし、私たちはフォロワーから信頼を失うしで、皆が不幸になっちゃう。ネット時代だろうと、ビジネスをする上でそういった信頼って本当に大事なことだと思います」(はあちゅう)

自分にはどんなことができて、その価値をどうすれば最大限に発揮できるのか。商談においてもまずは分析力が大事。営業マン、そして全てのビジネスマンに必須のスキルといえそうだ。

3. すぐに動けないビジネスマンは消えていく――「見切り発車は成功の元だ」

はあちゅうさんは先日『自分を仕事にする生き方』(幻冬舎)を出版した。彼女が語るこれからの生き方、とは何だろう。

「少し前から、YouTuberの広告に代表される『好きを仕事にする』という概念は浸透してきました。そこでいろいろな人が『好きなことって仕事になるんだ』と分かってきたけれど、私はそれ以上の時代がすぐそこまできていると思っています。

これからは『好きじゃないこと・不得意なこと』も仕事になるんじゃないかな。例えば私はすぐにアンチの方に心折れたりしているけど、そこからどう回復するかを発信して、それが書籍などのコンテンツになっています。

自分の考えとか日々生活している中で思ってることも、自分とは違う誰かのためのコンテンツになってお金になるってことを日々実感しています。この動きはネット以外の現実にも波及してくると思っているんです」(はあちゅう)
では企業が安定をくれない時代を乗りこなしていく為に、働く人一人ひとりが心掛けておくべきことは何だろう。最後にはあちゅうさんは、こんなアドバイスを送った。

この瞬間だ、と思ったらその熱が冷めないうちに行動することがすごく大事だと思っています。最近だと私が始めたのは『ボイシ―(ネットラジオ)』とか、少し前だと『note(コンテンツプラットフォーム)』ですね。

新しいことって皆が面白そうだなって思うけど、様子見してしまう人が多いんです。恥をかくかもしれない、使い方が難しいかもしれないなどの理由でその様子を伺っている間に、先に行動した人がもう新しい世界をつくってしまうんですよね。そして早く動いてる分だけ、その業界で1位になりやすい。ホリエモンさんなんかも『多動力』で書かれていましたけど」(はあちゅう)

見切り発車は成功の元、ですね! 私もそれはすごく大事だと思います」(ゆうこす)

「YouTuberのヒカキンさんだって、彼自身がものすごく努力はしているものの、2017年にYouTubeを始めていたらあそこまで有名になっていないでしょう。

ヒカキンさんは早いうちにYouTubeの面白さに気付いて、始めはボイパをアップして…と試行錯誤しながら今のスタイルを確立した。スタイルを確立するには絶対に試行錯誤期間が必要です。だから走り出しは早ければ早いほどいいと思います」(はあちゅう)

「私も、ストーリーでの失敗は絶対に隠さないし、新しいものを試行錯誤してどうやって乗り越えていくのかもコンテンツにしちゃいます」(ゆうこす)

「その試行錯誤の様子を見て人は好きになってくれて、応援してくれるしね。恥をかくことを恐れないで、熱のあるところに飛び込むスピードを持つ、というのを意識してほしいと思います」(はあちゅう)

取捨選択、分析、行動力。この3つが、企業に依存せず「個の力」が求められる今の時代に必須のスキルだ。
〈取材・文・撮影=大室倫子(営業type編集部)〉

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