「人並みの努力だけでは勝てない」

K-1王者は億超え投資家。久保優太が実践する“筋トレ感覚”の投資習慣とは?(前編)

経済・マネー2018.04.27by 新R25編集部

記事提供:FROGGY

2017年9月、初代ウェルター級王座決定トーナメントを制した久保優太選手。じつはスゴ腕の投資家です。現役王者でありながら個人投資家としても億を超える利益を叩き出す久保選手ですが、株を始めた目的は本業たるキックボクシングに打ち込むための経済的安定を得ることでした。

短期間のうちに株で成功を収めたのはいいものの、当初の思いとは裏腹にキックボクシングの戦績は悪化…。久保選手に何が起きたのでしょうか。

果たせなかったプロポーズ

「K-1チャンピオンになれました! 今日はチームのみんなに感謝の言葉を伝えたら、おうちに帰って彼女にプロポーズします!」

久保優太選手はK-1ウェルター級王座決定戦トーナメントを制覇したリングの上で、こう宣言した。しかし――。

「株の仲間が打ち上げをしてくれて、2次会も出て朝方までワイワイ騒いでいたので、プロポーズどころではなかったんです(笑)」

久保選手の歩みを聞いていくと、人生のターニングポイントに何度か登場してくるのが「夜の付き合い」。良くも悪くも、だ。

夜の付き合いに抱いた「歯がゆい思い」

プロデビューはまだ高校生だった2005年。順調にキャリアを重ね、2010年にK-1参戦を果たす。

「K-1がまだゴールデンタイムで放送していた時期、支援してくれるスポンサーがついてくれました。僕は『変わってるやつ』って言われるんですけど、基本、夜は遅くまで付き合いたくない。だってアスリートなのに飲み会とかキャバクラとか行ってたら翌朝、走れないじゃないですか。でも、スポンサーに誘われたら断れない。歯がゆい思いというか、『なんだろうな…』という思いをしたことが結構あったんです」

体が資本であるK-1ファイター。トレーニングが最優先だが、一方で経済面での安定も必要だ。そこで久保選手が思い出したのは祖父の言葉だった。

「おじいちゃんは証券会社に勤めていましたから、ちっちゃなころから株のことを聞かされていたんです。それを思い出して、『株の口座ってどうしたらいいの? どうやって買ったらいいの?』と聞いてみたんです。株って具体的にどんなものなのか、わからなかったんで」

株式投資で稼げればスポンサーに頼らずともトレーニングに打ち込める環境を作れる――そんな思いから始めた株式投資だった。元手となったのはキックボクシングのトーナメントで優勝した賞金だ。

「株券には実際に紙の“券”があると思っていたくらいの知識だったので、株のルールからおじいちゃんに教えてもらいました」

株券が電子化されたのは2009年のこと。今では紙に印刷された株券ではなく、デジタルデータで管理されている。

「5銘柄の調査」を毎日の習慣に

「おじいちゃんのころとは時代が違う。具体的なトレードのやり方は空き時間に自分で勉強しました。格闘家やアスリートは四六時中トレーニングしているイメージがあるかもしれないですが、空き時間が結構あるんです。今だと練習時間は1日3時間から4時間。普通の仕事をされている人よりは少ないし、時間の融通も利く。朝5時半に起きたらロードワーク、帰ってから勉強して9時からのザラ場を見る市場が終わってからトレーニングへ――といった感じでした」

祖父から継いだDNAのおかげか、努力の方法を知っているアスリートゆえなのか、結果はすぐに出た。

「2013年はアベノミクスもあって株式市場全体が上がっていました。ストップ高の手前で買えばすぐ高値に張り付いて翌朝はギャップアップでスタートする――そんなことが当たり前でした。今思えばめちゃくちゃ恐ろしいことをしていましたが、あっという間に1億円を超えてしまった

当時からの習慣のひとつに「筋トレ感覚で行なっている5銘柄の調査」がある。

「人並みの努力だけでは勝てないので、今も毎日5銘柄を調べるようにしています。日曜日は休みにしていますが、それ以外は毎晩5銘柄調べています。アスリートって習慣にしないとできないんですよ。1日サボっちゃうとできなくなる」

毎朝のロードワークと毎晩の5銘柄調査は久保選手の習慣。銘柄のどんなことを調査するのだろうか。

「四季報を読んで、週足や日足のチャートを見て、決算を見る。決算では業績の『進捗率』(利益や売上などの目標をどの程度達成しているかの比率)をチェックしますし、あとはSNSですね。ツイッターで有名投資家が言及して『手垢』がついていないか、とか」

有名投資家が推奨した銘柄を追随して買う人も多い。そうやって「手垢」のついた銘柄は需給面などから上がりにくい場合もある。

「今の時代って、すごい早いじゃないですか。僕が始めたときはまだブログや掲示板が中心でしたが、今はツイッター。バン! バン! バン! ってタイムラインに銘柄が飛んでくる。流れが早いですから、高値で捕まった人がいないか、誰が注目している銘柄なのかを知っておくことは大切ですよね」

5台の外車と「久保は終わった」

思惑通りに株式投資で億を超える利益を獲得し、経済的な安定を得て、練習に打ち込む環境が整ったはずなのだが…。

「よくよく思い返すと、当時はよく夜遊びをしていたなって。同世代の仲間に呼ばれて遊んじゃうんです。僕はお酒が苦手なので清涼飲料水の 『レッドブル』なんですけど、それでも翌朝は起きるのがつらい。起きられないんです。遅くに起きて『板』(銘柄ごとの注文一覧表)を見始めても寝ちゃうからタイミングを逃してしまう。いつの間にか、生活リズムが乱れてしまっていました」

わずか1年強で億を超える資産を築くと、経済観念が狂い始めてきた

「外車をいっぱい買いました。5台くらい、ですかね。乗り換えながらですけど、いつも2台はありました。自分ひとりなのになんで2台あるんだって感じですけど(笑)」

メルセデス・ベンツのSクラス、ポルシェのカイエン ターボ、ベンツやBMWのオープンカー。2台の外車に乗って深夜まで遊ぶ日々。キックボクシングへの影響が出ないはずはない。

以前は「65kg世界最強」と謳われた久保選手だが、2014年11月の「65kg初代王座決定トーナメント」では準決勝敗退、翌年の試合でも判定負けを喫し、2016年に開催された「65kg日本代表決定トーナメント」も準決勝敗退。結果を残せない日々が続いた。

聞こえてきたのは「久保は終わった」の声だった――。

中編につづく。

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