ローランド著『俺か、俺以外か。ローランドという生き方』より

謙遜は都合のいい自己防衛でしかない。自分を“一流”にするローランドの思考

ライフスタイル
18歳でホストデビューし、20歳にして店舗の代表取締役に就任。

2018年には月間6000万という歴代売上最高記録を樹立し、歌舞伎町の帝王とも呼ばれるローランドさん

彼の発する「ローランド名言」には、人を惹きつけるものがあります。
そんな彼の名言を集めた初の著書『俺か、俺以外か。ローランドという生き方』には、数々の名言とともに、その言葉の裏にある彼の美学が詰まっていました。

同書の中から、ホストとしてだけではなく、人として、仕事人としての哲学が詰まった2つの記事をお届けします。

ご堪能ください。

ホストはお中元じゃないんだぜ?

※やたらと謙遜するホストに向かって

「つまらないものですが!」

この言葉が幼少期からとても疑問だった。つまらないと知っていてなぜ、人に渡すのだろうか? って。

俺ならば「最高に素敵な逸品です!」と言って渡すのになぁと。

ホストは自分を売り込む仕事。

自分を売り込むときにはエゴイスティックに、世界で最高の俺だけど! って売り込みをするべきだし、そういう男のほうが全然魅力的だ。

つまらないものですと謙遜するのは、一見すると謙虚に映るのかもしれないが、突き詰めて考えると自分がダメだったときの予防線を張りたいだけであり、都合のいい自己防衛でしかない。

最高の男です、と猛烈に売り込んで、

あぁ、本当に最高の男だ

と思わせて、初めて一流じゃないのか。

最初から自分がダメだったときの保険を掛けているような男に、どこの女が魅力を感じるというのだ。

俺は席に着いたとき、自分が世界で、いや、もはや銀河で一番の男だと思い接客をしている。

オススメのキャストは? と聞かれれば、

ローランドです」の一択。

貴女を楽しませる自信があるとハッキリと言う。

ローランドを指名せずにホスト遊びをするなんて、スキンヘッドがヘアトリートメントしに来るぐらい馬鹿げていると本気で思っている。

世の男は俺様か、それ以外だ。と。

だから俺は売れているのだ。

これが、

あ…僕、ろーらんどって言うんですが…。つまらないホストなんですけど…、もし良かったら指名してみてください…。本当につまんないと思いますけど…

なんて言っていたらどうだろう?

そこに魅力を感じるだろうか。

俺は忙しいけれど、この1時間は君だけの1時間だよ。

そのほうが喜んでもらえると思う。

そしてその時間を一分一秒無駄にすることなく、有効に使おうと思うはずだ。

ホストに限らず、自分を売り込む仕事全般に言えるのは、傲慢なぐらいで丁度いい、ということ。

いつでもすぐに入れるレストランよりも、行列に並んでようやく入ったレストランで食事するほうが幸福度は高いだろう。

簡単に手に入るものよりも、手に入りにくいもののほうが価値がある。

もっとエゴイスティックに、大胆に自分を売り込め

ジャージばかり着ていたら、ジャージが似合う人間になっていく

※少し外出するときも、しっかりとした格好をすることについて聞かれ

身なりは、人を作ると思っている。

だから常に、しっかりとした格好でいることを意識している。

数年前の正月、俺は実家で家族と過ごしていた。

その間、家族との時間を楽しんだのだが、なにせ正月だ。

今考えると身の毛もよだつが、5日間ほど髪をしっかりとセットすることも、ジャケットを着ることもなく、ただのんびりとジャージを着て、寝癖のまま、家で過ごしたのだ。

そして、休み明けの出勤日。

いつものようにタキシードに袖を通し、鏡の前に立つと、どうもおかしい。

まるでピントが合っていないカメラで撮影したように、どこかボヤけている。

顔もどことなく覇気がなく、スーツを着ているというより、スーツに着られている。

そう、俺は休みにだらけてジャージで過ごしている間に、いつの間にかジャージが似合う男になってしまっていたのだ。

その時、確信した。

だらしない生活をすると、そういう生活や格好が似合う人間へと、知らないうちに変わっていってしまうと

根元は黒くトリートメントをしていないパサパサの茶髪、所どころ剥げているネイル、上下スウェットに足元はキティちゃんのサンダル。そして、毎日ノーメイク。

そんな人が多くいるが、そういった格好で生活をしていると、人前に出ることや人にどう見られるかも、だんだんどうでもよくなってくる。

いずれは、人生自体がどうでもよくなってきてしまうかもしれない。

最低限、髪の毛に櫛を入れる

高くなくてもいい。部屋着から清潔感のある洋服に着替えて、日中を過ごしてみる。

メイクアップをする。

それだけでも、ずいぶん変わってくるだろう。

「ローランドさんって、なんで誰も見ていないときにも格好つけるんですか?」

とよく聞かれる。

でも逆に聞きたい。

人が見てないところで格好つけられない奴が、どうして人が見ているときに格好つけられるんですか? と。

人が見ていないときこそ、格好つけるのだ

役作りと一緒で、カメラが回ったときだけその役になりきろうと思っても、限度がある。

普段の生活からその役になりきって、初めていい演技ができるものだ。

カテゴリは違えども、ホストも源氏名で演じる役者。

そう考えると、普段から役作りとして、常にカッコいい自分でいることは当然である。

また、だらしない格好でいるときに限って、知り合いに会ってしまう…なんて経験、みんなもきっとあるだろう。

マーフィーの法則!

こんなときに限って…、大好きなあの人に鉢合わせてしまうものだ。

一度きりの人生。

大好きなあの人に、いつも最高の状態で会いたくない?

反骨心が俺の恩人であり相棒さ

※成功を支えてくれた人はいるか? の問いに

ホストを始めて、つらかった経験は何度もある。

そんなときに自分の支えになったのが、強烈な反骨心だ。

学生時代、すべての時間をサッカー選手になるという夢に捧げ、挙句、その夢が叶わなかった俺。人生で一番悔しく、そして惨めな経験だ。

その結果生まれた思わぬ副産物が、とてつもなく大きな反骨心だった。

つらい下積み時代。人々から酷評され、給料もほとんどなく、安いパンをかじりながら、

寒い部屋で毎日、自問自答する。

俺の人生、こんなものか?

俺って、この程度?

すると、心の中のローランドが、

もうあんな悔しい気持ちは味わいたくない!

サッカーはダメだったが、このステージでは絶対に負けない!」

ホストでもダメなら、俺はずっと負けの人生じゃないか!

と叫び返してくる。

不思議と、明日も頑張ってやる! という気持ちになるのだ。

夢破れたあと、未熟な俺は、夢を追い続けたその十数年が無駄だったと恨んだ。

だがしかし、その日々は強烈な反骨心に姿を変え、知らず識らずのうちに自分の強力な味方になってくれた。

明日への活力になってくれた。

負けることは、恥ずかしいことでもなんでもないさ。

このローランドだって、一度は夢破れ、落胆した中の一人なのだから。

一番恥ずべきことは、ダメだったときの言い訳として、全力で頑張らないことだ。

中途半端に取り組んだ結果の敗北は、君になにももたらしてはくれない。

成功するかしないかなんて、心配しなくていい。

まずはひとつのことをとにかく全力でやってみてほしい。ぶつかってほしい

成功すれば、万々歳。

だが、もし夢破れても、その経験は貴方に反骨心という最高のパートナーをプレゼントしてくれる

それは、適当に生きている奴らが絶対に手にすることのできない、とっておきのプレゼント。その相棒がいれば、次はきっと成功するさ!

…ちなみに、あれから8年。

いろいろなご縁でサッカーの仕事をする機会が増えた。そんな中、自分のサッカーシーンをテレビで放映したいとのオファーが。

その取材中に、俺はオーバーヘッドキックでスーパーゴールを決めたのだ。我ながら持っている(笑)。

きっと昔のハードなトレーニングがなかったら、決められなかっただろう。

ほらね! やっぱり無駄な努力なんてひとつもないんだ!

ローランドですら負けることがあるんだぞ! メッシだってPKを外すんだ。お前は神様にでもなったつもりか?

※ミスをして落ち込む後輩にキツい一言

ローランドもね、毎回毎回すべてパーフェクトなんかじゃない。

渾身のジョークが完全に滑る日もあれば、お客様を怒らせて帰らせてしまうときもある。

毎月毎月、ナンバーワンだったわけじゃない。そんな日は俺も、人並みにショックを受ける。

だけど、批判や追及は俺がやらなくたって、ほかがやってくれるものだ。しかも頼んでいなくても(笑)。

だったら、自分ぐらいは自分の味方をしてあげたらいい

よく頑張ったじゃないか、また次、頑張ればいいじゃないかと。いつもそうやって自分を励ましているし、自分のことを守ってあげている。

月並みな言葉だが。ミスは人を確実に成長させるし、気持ちを引き締めてくれるものだ。

…そもそもひとつ言いたい。

このローランド様とて、ミスをするのだ

それに弘法先輩も字を誤れば、メッシもPKを外すし、猿も木から落ちる。

そりゃあ、君達がミスをするなんてしょうがないオブしょうがないことだ。

別になんてことないじゃないか! 一通り落ち込んだら、あとはもう自分は自分の味方。

そして、あとはこう心に誓ってやればいいのさ。

次こそは、絶対に成功させてやるんだ! と。

ローランドさんの至高のプロ意識にもっと触れたいという方に

俺か、俺以外か。ローランドという生き方

俺か、俺以外か。ローランドという生き方

「謙遜が美徳」と言いますが、ローランドさんの哲学はその真逆。

自己愛を全面に出し、傲慢なほど自分中心に生きることを美徳としていました。

年齢は、どれだけ生きたかは教えてくれても、どう生きたかは教えてくれないだろ?

先の見えない人生が怖いって? 俺は先が見えてしまった人生のほうがよっぽど怖いね!

この名言の意味が気になった方はぜひ手に取ってみてください。

〈撮影=428.kei/muse design&edit〉