借金1億7000万円の男と、結婚を決断…!?

借金生活20年。電気が止まって「真夏クリスマス」。❤さゆりが今ネガティブを抱える人に伝えたいこと

ライフスタイル
コロナ禍で、何かとネガティブな気持ちになりがちな今日このごろ。

夜な夜なスマホ片手にネットサーフィンをしていたところ、目に飛び込んできたのがこちらの写真。
「こ、この美しすぎる脚と笑顔がまぶしい美女は…?」

彼女は、関西を中心に活躍する夫婦漫才コンビ「かつみ♥さゆり」の♥さゆりさん。

常に明るく前向きで、SNSに寄せられるコメントは、「さゆりちゃんのことが嫌いな地球人はいない」「まるで太陽」「世界一の嫁」など今どき珍しいぐらいのあたたかさであふれています。

しかしおふたりにはなんと、1億7000万円の借金があるそう。山あり谷ありの人生のなか、どうしてそんなにポジティブでいられるの…!?

「人生を豊かにするのは考え方ひとつ」を体現する彼女に、その秘密を聞いてみました。
【❤さゆり(さゆり)】1969年生まれ、兵庫県出身。大阪音楽大学短期大学部ピアノ科中退。1989年、“ミスコン荒らし”を経て野球番組のアシスタントをきっかけに芸能界デビュー。1996年、太平かつみと結婚。2000年、夫婦漫才コンビ「かつみ♥さゆり」を結成し、「あ~ボヨヨ~ン」のギャグで人気を博す。アイドルグループ吉本坂46のメンバーとしても活躍中
〈聞き手=いしかわゆき〉

クワガタ繁殖にラーメン屋経営…1億7000万円の借金返済ドリーム計画

いしかわ

いしかわ

今日はさゆりちゃんの「ポジティブさの秘訣」についてお伺いしたいと思っています。

今はやっぱりコロナ禍で暗い気持ちになってる人も多いと思うんですが…さゆりちゃんはいかがですか?
さゆりちゃん

さゆりちゃん

私とかつみさんはコロナ禍になって給料は9割減になったんですけど、なんてことないですよ。

鉄は打てば打つほど強くなるっていうけど、私は20歳のときからいっぱい打たれてきたからもう、「辛さ」に慣れっこで。

ここも一発叩いたら痛いけど、ずっと叩いとってみてください。痛くなくなるんで。ハハハ!
ペチン! ペチン! と二の腕を叩くさゆりちゃん
いしかわ

いしかわ

「辛さ」に慣れっこ…。そういえば、かつみさんご夫婦には多額の借金があると伺いました。

どうしてそんなに借金を背負うことになってしまったんですか?
さゆりちゃん

さゆりちゃん

ことのはじまりは、湾岸戦争ですね。
湾岸戦争=1990年8月、中東のクウェートに侵攻したイラクに対して、アメリカを中心とする多国籍軍が武力行使に踏み切った戦争
さゆりちゃん

さゆりちゃん

かつみさんと知り合ったとき、彼は「どんきほ~て」というコンビで本格派漫才をやっていて、いろんな賞を総ナメにしてたんです。

でもある日、そんなクールなかつみさんが公衆電話で「なんとかしてください!」ってすごく取り乱してたから、「なんであんなんなってはるの!」って他の芸人さんと笑ってたんですよ。

そしたらそれ、湾岸戦争で株が大暴落して1億7000万円の借金をかぶった瞬間だったんです
えっ
さゆりちゃん

さゆりちゃん

でも、借金をかぶってもなお「俺はこんなことやりたい」って前向きなことばかり話してて。

今人生どん底なのにこれだけ前向いて生きてるんだったら、ついていっても大丈夫」と思って、一緒になることにしました。

この人の船に乗って、沈むときは一緒に沈んであげようと。
いしかわ

いしかわ

なるほど…すごい決断…
さゆりちゃん

さゆりちゃん

ただ、いざついていったら、想像以上に船の底が抜けてました(笑)

借金の支払い先は43件。毎日電話がかかってきて、必死に払って…

給料日の朝は、銀行のシャッターが開いた瞬間に、潜り込んでお金をおろしていました。数万円でも生活費をゲットしておかないと、借金で空っぽになっちゃうんで。
いしかわ

いしかわ

すさまじいサバイバル生活…!
さゆりちゃん

さゆりちゃん

吉本のギャラだけでは当然返済できないから、「借金返済ドリーム計画」とかいっていろんなビジネスもやったんですよ。

たとえば…
~かつみ❤︎さゆり 借金返済ドリーム計画~

1 大クワガタの繁殖ビジネス
→コバエ退治のためさゆりがバルサンを焚きクワガタも全滅

2 一口馬主
→投資した競走馬が1回走り故障。そのまま引退へ

3 綾波レイ限定フィギュアの転売
→磨いていたところもみあげが折れ、さゆりが掃除機で吸う

4 マンチカンの繁殖ビジネス
→さゆりの留守中さゆり母が去勢手術をしてしまう

5 100円ショップ「ピコピコドン」の経営
→誤発注により2カ月で閉店

6 ラーメン店「ボヨヨンラーメンウマインジャー」の経営
→応募してきたアルバイトを全員雇い7カ月で閉店
いしかわ

いしかわ

とんでもないですね
さゆりちゃん

さゆりちゃん

結果的に借金が2億5000万円まで増えました。エヘヘ…
エへへじゃないのよ

ベランダから下を見つめたことも。「私のポジティブさは“後天的”」

いしかわ

いしかわ

そんなしんどい毎日のなかで、どうやって踏ん張っていたんですか…?
さゆりちゃん

さゆりちゃん

私もベランダから下見て、「ああ…」って思うようなときもあったんですよ。

死にたいというより、辛さから逃げて楽になりたくなる。

ただ、私はいつもかつみさんの「前を向く哲学」に救われてきたんですよ。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

たとえば、2人で漫才を組むことになったときに、かつみさんに言われた「ガムの話」があって。

当時、2人で必死に借金を返すなかで、突然かつみさんがコンビを解散することになり、さらに疎遠だったお父さんが亡くなって、借金10億円が降ってきたんです。

まわりから夫婦漫才をすすめられたんですけど、漫才はコンビ間でケンカ別れする人がたくさんいるし、夫婦漫才は家にまで持ち込むからなおさら不安だった。
いしかわ

いしかわ

そうだったんですね…
さゆりちゃん

さゆりちゃん

そこで、「ガムの話」です。昔はよく板状の5枚入りのガムが売られていたんですけど、かつみさんがこう言ったんですよ。

「2人でガムを2枚ずつ分けたら、最後に1枚残るやんか、それも半分っこしよ。そしたら、おっきいほうと、ちっちゃいほうができる。おっきいほうを相手にあげる気持ちをずっと忘れんようにやっていこうな」って。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

うまくいかなかったことは自分のせい、うまくいったことは相手のおかげ。その精神を絶対忘れんとやっていこう。お互いにその気持ちさえ持ちつづけられたら、絶対にうまくいくから」って。

それで私も夫婦漫才をやる決意ができたんです。今でも自分の土台になってる言葉ですね。
いしかわ

いしかわ

もともとポジティブだったわけではなく、かつみさん影響で物事の見方が変わったと。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

きっと、たくさんの借金があっても私がかつみさんに惹かれたのは、人間としての奥深さだと思うんです。

あの人にマイナスなんてまったくない。何か大変なことがあっても「あ、よかった~、これで厄が払えた!」って言ってますからね(笑)。
ポジティブな人と一緒にいるって、本当に大きいよな…

辛いとき、どうすればいい?

いしかわ

いしかわ

辛い気持ちになってしまったとき、乗り越えるコツってあるんでしょうか?
さゆりちゃん

さゆりちゃん

私、今回コロナ禍で自ら命を絶たれているようなニュースがあったときにも、SNSでフォロワーのみなさんにお願いしたんですけど…

辛いときは、お願いだから一回大きく深呼吸して、ベッドに入って寝て、朝を迎えてください

これは、実体験だから心から言える。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

一番大切なのは、「落ち着くこと」。少しだけだったとしても、絶対に気持ちがリセットされて楽になるから。

辛いときに何かをしたり、決めたりしない。これをまず思い出してほしいです。

あとは、「辛いこともいつか思い出になる」と思うこと。
いしかわ

いしかわ

思い出。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

ある真夏の日、疲れて帰ってきたら電気とガスが止められていたんです。

「またや!」とうんざりしたときに、かつみさんがクリスマスツリー型のキャンドルに火をつけたんですね。部屋がふわっと明るくなって、「真夏のクリスマスや」と言って。
いしかわ

いしかわ

ほう…
さゆりちゃん

さゆりちゃん

食べるものもなくて、汗ダラダラのなかぬるいお水で乾杯しながら、かつみさんが「さゆりちゃん、これ辛いやろ。でもいつかいい思い出に変わるからな」って言ったんです。

私は本当に辛かったから、「こんなん、いい思い出になるわけないわ!」って思ってたんですけど(笑)。
そりゃそう思うわ
さゆりちゃん

さゆりちゃん

でも何年か経って、クリスマスにケーキでお祝いできるようになったとき…

ろうそくを消しながら私、「でも一番のクリスマスは、あの“真夏のクリスマス”やわ」ってふと口にしてて。

あれ!? いい思い出に変わってる!」って
いしかわ

いしかわ

いつかそう思えるようになるのかな…
さゆりちゃん

さゆりちゃん

辛い思い出を塗り替えた経験って、やっぱり「いい思い出」になって、自信に変わっていくんですよね。

その感覚を一度知れたら、何が起こっても「また新しい思い出の材料ができた」って思えるようになったんですよ。

だから、若い人には本当に失敗を恐れないでほしい。「この辛さがいつか自分の大きな武器に必ず変わる」って確信を持って、いろんなことに挑んでもらいたいと思いますね。

さゆりちゃんが語る人生観。本当の「勝ち人生」とは

いしかわ

いしかわ

今日はありがとうございました。辛いことがあっても、少し前を向いてみようと思えました…
さゆりちゃん

さゆりちゃん

私、「人生終わるときに、どれだけ笑って語れる物語があるか」。

これが一番の「勝ち人生」じゃないかなと思うんですよ。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

バブルのとき流行った「負け組」「勝ち組」って言葉、私は大嫌いだった。お金を持っていたら「勝ち組」、そこにいけなかったら「負け組」みたいな。

でも、違うんじゃないかなって。「どれだけ笑いに変えたか」。結局ここなんじゃないかなと思うんですよね。

それに持っていこうとするとなんだか笑えるんですよ、どんなことでも(笑)。
さゆりちゃん

さゆりちゃん

幸せな出来事を増やそうとか、不幸せな出来事を減らそうというより…

見る方向を変えて、気持ちを変えてみる。きっとそのほうが楽になれるから。そうやって肩の力を抜いていけたらいいんじゃないかなと思います。

…あっ、かつみさん帰ってきた!
「さゆりちゃん! 今日もかわええな!」
本日はありがとうございました!
文字だけじゃ書き表せないくらい、大変なことを乗り越えてきたかつみ❤さゆりさん夫妻。お二人の笑顔は、とてもじゃないけど借金を背負っているとは思えないほど明るくて、取材中も爆笑が絶えませんでした。

借金を背負ってなくたって、裕福だって、どんより落ち込んでいる人もいる。

だからこのふたりの人生は、誰が何と言おうと“圧倒的な勝ち人生”なんだろうな

しんどいときは、これが自分の武器になると信じよう。「あのときは大変だったなぁ!」っていつかいい思い出になりますように!

〈取材・文=いしかわゆき(@milkprincess17)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)〉

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