不思議ビジネス案内所

第3回 樹のお医者さん“樹木医”というお仕事

2009.12.18 FRI

不思議ビジネス案内所


毎年きれいな花を咲かせる千鳥ヶ淵のソメイヨシノ。空気の汚れや、土壌の悪化で枯れるものもあったそうだが、市田さんたち樹木医の診療で、元気を取り戻してきた。近代化にともなって、都会の樹木が病気にかかることが増えているのだそう。 画像提供=NPO法人東京樹木医プロジェクト

樹木たちの声なき声を聴く、樹のお医者さんってどんな仕事?



世の中の不思議なお仕事をのぞいちゃう“不思議ビジネス案内所”。今回は“樹木医”というお仕事をご紹介します! 

“樹木医”とは読んで字のごとく、樹木を専門に診るお医者さんのこと。国家資格ではありませんが、「日本緑化センター」という財団法人が認定する資格を取らなければ名乗ることのできないお仕事です。

でも…。樹木を診るって、いったいどんなお仕事なんでしょう? ご自身も“樹木医”の資格を持ちながら、東京の樹木医さんたちの取りまとめ役をしていらっしゃるNPO法人「東京樹木医プロジェクト」理事長の市田邦治さんにお話を伺いました。

「樹木医は、文化財に指定されているような貴重な樹木をはじめ、街路樹やご家庭のお庭の木など、元気のなくなった樹木に対して、病害虫を除去したり、土壌の改善をしたりして、樹木が健康に生命を維持できる手助けする仕事です。お庭の剪定(せんてい)をする庭師さんは、庭園や樹木が美しく見えるように手入れをしますが、樹木医はあくまでも樹木の健康が第一。樹木の病理や生育理論をふまえて、樹木の手入れをします」

樹木医さんはメディカルな職業なんですね。となると、人間のお医者さんと同じで、なるのはけっこう大変なのでは?

「資格試験を受けるには、林業や造園業など樹木の保護や治療にかかわる仕事で7年の実務経験が必要です。試験は1次審査が筆記試験で、2次審査には2週間に及ぶ実習試験があります。最後に面接があって、合格者が決まりますが、合格率は約20%と狭き門です。現在、樹木医の資格を持っている人は全国で1300人くらいです」(市田邦治さん) 7年の実務経験が必要なうえに、こんなに大変な試験をクリアしないとなれないなんて、とっても大変じゃないですか~!

 樹木は人間と同じように、成長にともなって生理が変化します。だから人間の医師と同じように、長い時間をかけて樹木について学び、経験を積んだ人しかなれないのです。なかには人間よりずっと長生きする樹木もありますから、ある意味で人間の医師より大変な部分もあるかもしれませんね」(市田さん)

樹木と意思の疎通をはかるのは、人間よりもはるかに難しそうです。その分しっかり経験を積んで、樹木の声なき声を聴くことが大切なのかもしれませんね。。市田さんは、お花見スポットとして有名な東京・千鳥ヶ淵のソメイヨシノの治療・再生を5年以上も担当されているそうです。ふだんあたりまえのように眺めている木々の健康を陰で支えてくれている樹木医さん、とっても素敵なお仕事ですね。

次回は樹木医さんの診療現場に潜入して、私も樹木の声に耳を澄ましてみます。
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