オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

僕と彼女の“結婚”に正解はあるのか?

2010.01.21 THU


『結婚のアマチュア』アン・タイラー・著、中野恵津子・訳/文春文庫/900円
恋愛と結婚が別物とはわかっているけれど

恋愛と結婚の関係はとっても難しい。そりゃ恋愛と結婚は別物であることを示す例は、世の中に事欠かないのだけど、かといって現代ニッポンでは、お見合い結婚はレアなわけで、恋愛相手こそが結婚相手の候補者筆頭だろう。目の前の彼女と結婚してうまくいくかどうか、そんなことを考えたときに読んで欲しい小説が『結婚のアマチュア』だ。
舞台は、1941年、アメリカのボルティモア東部。周囲も羨むラブラブなカップルとして結婚したマイケルとポーリーンだが、結婚後の2人はケンカの連続で、”性格の不一致”を体現するような夫婦関係を作者は緻密に描いていく。
3人の子どもが生まれ、長女の失踪事件をきっかけに様々な問題を抱え込みながらも、夫婦はなんとか30年持ちこたえてきた。そして迎えた結婚30周年を祝うパーティ。安いドラマなら、ここでハッピーエンドという展開だが、物語の爆弾が落ちるのはその晩だ。苦労を分かち合ってきた夫婦生活の来し方を楽しげに振り返るポーリーンに、マイケルは…。
アン・タイラーという作家は、人間の心理を描かせたら天下一品。決断を先延ばしする男と、その曖昧な態度にキレる女という、どこにでもありそうな男女の関係を実に見事に描写する。マイケルのなかに自分自身の姿を、ポーリーンのなかに彼女の姿を発見する読者もきっと多いはずだ。
小説としての面白さはもちろん、男女の心の機微まで学べてしまう”人生に役立つ名作”としてオススメしたい。

  • 夫婦はおもろい!?

    『今日も夫婦やってます』
    南 Q太/筑摩書房/1365円

    人気の女性漫画家が3度めの結婚とその夫婦生活について綴ったエッセイ集。入籍や子育て、妊娠、家族旅行や相手の親との関係など、何でもない日常にも夫婦の個性はにじむもの。一家の生活のリズムまでもが行間から伝わってくるようだ。本書を読めば、いろんな夫婦のかたちがあることをしみじみ実感できるはず。正解がないからこそ面白いのが結婚かもしれない。
  • サステナブルな夫婦を目指せ

    『頭のいい夫婦 気くばりのすすめ』
    松本光平/コスモトゥーワン/1470円

    強い絆で結ばれているのが夫婦──とは言っても、心がすれ違うこともあれば、ケンカだって当然ある。では、どうすれば長く連れ添えるのか? 家庭問題のカウンセリングを長年続けている著者は「気くばり」の大切さを説く。ものの言い方や生活の態度など、どれも些細なことだけど大切なもの。これはもちろん恋人との関係にも通ずるはず。読んだあとは実践あるのみ。
  • 三十路を想像してごらん

    『35歳からのリアル』
    人生戦略会議/WAVE出版/1470円

    35歳なんてR25世代からすれば、遠い話に聞こえるかもしれない。でも、これから結婚をして30代を迎えていくという人生のイメージトレーニングをしておくのも悪くはない。結婚にかかる費用、共働きという選択肢、養育費への対策、そして夫婦円満のコツ…。多くのヒントが掲載されているこの本を片手に、人生の一大イベントに冷静かつ楽しく、向き合ってみるべし。
  •  
僕と彼女の“結婚”に正解はあるのか?

※フリーマガジンR25 256号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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