不思議ビジネス案内所

第9回 方言を操る方言指導の専門家 前編

2010.02.05 FRI

不思議ビジネス案内所


09年に公開された映画『いのちの山河~日本の青空Ⅱ~』の舞台は、岩手県沢内村。冨田祐一さんが得意の東北弁を方言指導しています!

なまっていればいいわけじゃない! 方言指導のお仕事



突然ですが、皆さんご出身はどちらですか? 

東京に出てきてそろそろ4年になろうというばーぶちゃん1号ですが、依然京都のなまりは抜けず。自分ではちゃんと標準語で話しているつもりでも、お酒を飲んだりして気を抜くと、イントネーションから怪しくなっていきます…。

でも、方言はいわば個性! 何かこれを生かせる仕事はないものか? と探してみたところ、ドラマのエンドロールに「方言指導」という単語を発見。これ、まさに方言を生かせる仕事なんじゃないですか? 

「その通り! 方言指導は、生きた方言を操ることができる人にしかできない仕事です。標準語で書かれたドラマや映画などの脚本を方言に書き直すことからはじまり、そのイントネーションを録音して役者に聞かせたり、現場で直接指導したりします。そのため実際は、大学などで言語学を研究している人より、演技の基礎がある役者が、本業のかたわら出身地の言葉を指導することが多いようです。いくらイントネーションがわかればいいとはいっても、セリフが棒読みでは伝わりづらいですからね」

こう教えてくれたのは、日本俳優連合の「ドラマの方言を考える会」で世話人を務める、冨田祐一さん。ご自身も本業は俳優(芸歴45年!)で、岩手県出身。映画やNHKの連続ドラマで東北弁全般の方言指導をしています。 「私はずいぶん若いころから方言指導をしていますが、実は方言指導が制作者の一員としての立場を認められたのはほんの20年ほど前。それまでは、『地方出身ならちょっと頼むよ』と気楽に頼まれていました。方言指導を断れば役者の仕事もなくなってしまうかもしれないので、断ることはできません。もちろん、方言指導としてのギャラもなかったんです」

仕事量の割に報われない立場だったんですね…。晴れて制作者の一員として認められたことで、何か変化はありましたか? また、方言指導を専門でやっていくのに、資格のようなものは必要なんでしょうか?

「役者として出演しない作品から、“方言指導”としてオファーがくるようになりました(笑)また、方言指導専門のプロダクションができるなど、需要に合わせて方言指導をする人の数は増えましたね。この仕事をするのに必要な資格や学歴はありませんが、一番物を言うのは、方言をいかに長く操っているかという経験。というのも、方言は年代によって微妙に違うもの。自分の地元でも、年配の方の方言がわからないことがありますよね? 映画やドラマにはあらゆる年代の人が登場するので、昔の方言から現代の方言まで知っている、年長者が重宝されます」

なるほど~、方言のリアルな変遷を知らないとできないお仕事なんですね。R25世代が急になろうと思っても、難しい分野かもしれません。

というわけで、次回・後編は冨田さんに実際のお仕事の現場について教えていただきます。気になる収入のお話も聞けるかも…? 乞うご期待! 気になる仕事、珍しい職業をご存じでしたら、右下の投稿ボタンを押して投稿してください!

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