オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

先人たちの生き様に強さを学ぶ本

2009.03.02 MON


成功に縛られず失敗にめげず、臨機応変に即断・行動する強さ 『一勝九敗』 柳井 正/新潮文庫/460円
世界的経済不況による消費の低迷が深刻化するなか、増収増益の快進撃を続けて、まさに逆境での強さをみせつけているユニクロ。しかし、その陣頭指揮を執るファーストリテイリングのトップ・柳井正氏の経営者人生は、決して順風満帆とはいえない。
20代で家業の跡継ぎとして経営に口出しすると6人の従業員のうち5人が辞めていった。30代半ばでユニクロ第一号店を開いた後は、「人もいない、物もない、カネもない」状態で借金に頼り、「薄氷を踏む思い」で一気にチェーン展開。無事、上場を果たしフリースの爆発的ヒットで成功を収めるも、その前後で、「スポクロ」「ファミクロ」や農作物販売事業の失敗、海外進出の難航、そして大幅な業績悪化などの壁にもぶちあたっている。
それでもさらに拡大成長を続ける柳井氏のすごいところは、変わり身の早さとバランスの良さ、そして決断力だ。ダメならすぐに手を引き、いけると思えば押しまくる。自社の監査役に「こんな体育会系の一本調子で大丈夫かな」と思われるほど、直情的でワンマンタイプに見えるが、自分にない才能を持つ人には全幅の信頼を寄せている。
以前、役員同士で各自の能力を「360度評価」したとき、彼だけ自己評価と他者評価がほとんど同じだったという。自分自身を客観的に分析・評価する能力に長けているのだ。それは経営にも直結している。どんな時も逆境や失敗に屈しない彼の強さはそこにある。

  • 解決できない問題はない

    『ムハマド・ユヌス自伝』
    ムハマド・ユヌス・著、猪熊弘子・訳/早川書房/2100円

    将来を有望視されていた経済学者の人生観を変えた大飢饉の地獄絵図。飢餓と貧困で死んでいく人々を救う“生きた経済学”を実践するために彼は、無担保融資による経済自立援助を目的とした「マイクロクレジット」を考案した。数々の失敗や裏切りなど公私の苦難を乗り越えてきた彼の知恵と行動力と信念は、どんな問題も解決の道はあると勇気を与えてくれる。比類のない究極のサクセスストーリー。
  • 一日一頁、目を覚ます箴言の数々

    『ドラッカー365の金言』
    P.F.ドラッカー・著、上田惇生・訳/ダイヤモンド社/2940円

    世界のビジネス界にもっとも影響を与えた思想家でマネジメントの父ともいわれるドラッカーの箴言集。一日一頁365日分のメッセージは、マネジメント、社会、経済、事業、意思決定、NPOまで多岐にわたり、どれも簡潔にして明快な真理を伝えている。彼の哲学は、世のなかをみるうえでひとつの指針になり、組織に生きる人間の幸せについて考えるヒントと行動のきっかけを与えてくれるだろう。
  • 頭でっかちなすべての人に

    『やればわかるやればできる』
    小倉昌男/講談社/1680円

    「物事を見るのは人によってそんなに違いはない。問題は見てからそれをどう感じるか、どう行動するかの違いである」「社益より人間の倫理」「前例主義をやめて前に進もう」など、逆境に陥っている今こそ肝に銘じたい言葉がぎっしり。持ち前の反骨精神と博愛精神と行動力で、冷静と情熱の間を突き進んだ男の生き様は、経験値が少ないわりに理屈っぽく頭でっかちになりがちな若者にぜひ読んで欲しい。
  • 運をよくするには技術がいるのだ

    『起きていることはすべて正しい』
    勝間和代/ダイヤモンド社/1575円

    不運をも幸運に変える「メンタル筋力」に必要な、4つの技術のトレーニング法を公開。潜在意識を最大限活用し、多種の情報から本質をつかむ即断即決力を身につけ、経験や人脈などの資産を増強して、他人と協調・調和して自分の力を倍増させる。その具体的な習得方法はロジカルで現実的で読者のやる気を奮い立たせる。成功者である勝間さん自身の経験談に基づいた、逆境の乗り越え方は説得力あり。
先人たちの生き様に強さを学ぶ本

※フリーマガジンR25 別冊R22「R22的ブックレビュー」より

日比野来斗=文
text RAITO HIBINO
桜井としき=写真
photography TOSHIKI SAKURAI

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