貧困率1位の国の画期的政策!

世界が注目してマネをするメキシコのスゴい貧困対策

2010.03.04 THU



写真提供/EPA=時事
「日本の貧困率は15・7%」。少しまえにこんな数字を政府が初めて公表した。貧困率(相対的貧困率)とは「所得が全国民の中央値の半分に満たない国民の割合」のことで、所得格差を表す指標とされている。日本では90年代以降、この貧困率が上昇し、OECD(経済協力開発機構)によれば04年の貧困率は14・9%。これはOECD加盟国のうち、メキシコ、トルコ、米国に次ぐ4番目の高さで、それが07年は15・7%に上昇したのだという。

そこで政府も対策に取り組むらしいのだが、では格差や貧困を解消するにはどうすればいいのか。じつは、画期的な貧困解消政策をおこない、世界中から注目を集めている国がある。貧困率第1位のメキシコの「条件付き現金給付プログラム」と呼ばれる政策がそれで、貧困削減の成功例として国際社会からも高い評価を受け、メキシコを真似しようとする国が続出するほどなのだ。

この政策の特徴は、まず低所得者に給付されるお金が子どもを学校に通わせたり病院や保健所に連れていったりと、子どもの教育・健康に支出されるよう条件づけられていること。そのため、給付対象は家族の健康を担う母親と決められ、母親には栄養管理の勉強をすることも義務づけられている。かりに母親が子どもを学校に通わせていなかったら給付は打ち切られてしまうのだ。さらに、政策の効果や問題点の検証をNGОなどの外部機関がおこない、必要ならすぐに改善策を講じることも可能。つまり国を挙げて次世代を担う人材育成に取り組んでいて、たんに低所得者にお金を配って救済する対症療法ではなく、貧困という病を根本から治療するのが「条件付き現金給付プログラム」というわけだ。その効果は、世界銀行が昨年、この政策に対して15億ドルの融資を決めたことでもうかがえる。

貧困率と格差の関連についてはいろんな見方もある。しかし定額給付金とか年越し派遣村だとか、その場しのぎの対策しかできないどこかの国にメキシコのやり方を見習ってほしいのも事実なのだ。
(押尾銅山)


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