蚊帳、紙おむつなど成功事例も続々

世界が注目する5兆ドル市場 「BOPビジネス」がアツい!

2010.04.01 THU



写真提供/フマキラー
国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済成長率の予測を上方修正するなど、一時に比べて回復しつつある世界経済。それを旺盛な購買力で牽引しているのは、BRICsに代表される新興諸国の「ボリュームゾーン」(年収3000~2万ドルの中間層)だ。そして、それに続く新たな市場の担い手として脚光を浴びるのが「BOP(base of the Pyramid)」と呼ばれる階層。年収3000ドル以下の人々を指し、その総数は約45億人、潜在的な市場規模は約5兆ドルといわれる。この層を対象とし、貧困などの社会問題を解決しながら利益を確保する事業活動、「BOPビジネス」が注目を集めている。

「BOPビジネスの舞台は、アジアやアフリカなどの、政治、経済、社会、技術の面で整備が進んでいない国々です。そこでは、新興諸国よりも厳しい制約条件が課されます。BOPビジネスでは、社会的価値と経済的価値をともに満たすことが求められるため、参入のハードルは非常に高い。それでも新たな市場開拓を目指して、P&Gやネスレ、マイクロソフトなどの世界的企業が参入し、一定の成果をあげています」

そう解説するのは、企業経営の視点からBOPを研究する、慶應義塾大学大学院・岡田正大准教授。欧米の企業に比べ、「出遅れている印象がある」という日本企業だが、インドで小型発電機を販売するソニー、アフリカで殺虫剤を練りこんだ蚊帳を供給する住友化学など、成功事例も増えつつある。

「日本ポリグルは、バングラデシュで浄水用の特殊凝集剤(泥水を簡便にきれいな水に変える薬剤)を販売し、現地で一定の支持を得ています。さらなるコスト削減で一層の市場浸透が図られ、最終的には大きな市場を獲得するかもしれません」(同)

企業がBOP市場で安定的に利益を得るには「現地に密着した事業展開が不可欠」と岡田さん。現地生産で雇用を生み出しつつ、人々が求める商品を適正な価格で販売する。今後、モノつくり大国=日本の企業が活躍する余地は大きそうだ。
(神谷弘一/blueprint)


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