オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

たくましき女子の進化にキミはついていけてる?

2010.04.15 THU


『女修行』 辛酸なめ子/講談社文庫/500円
ないない尽くしから一念発起、
目指すはセレブな「大人の女」

「大人の女」になるには、かくも厳しい修行が必要なのか。
ドレスの着こなし、テーブルマナー、セレブメイクにボイス・トレーニングはまだまだ序の口、子どもへの苦手意識を克服すべく、保育室で子どもまみれになったり、メイド喫茶で「ご主人様!」を連呼して奉仕の心を学んだり…。女修行の果てなき特訓ぶりを読んでいると、男でいることがなんだか申し訳なくなってくる。
しかも著者は、自転車にも乗れない運動音痴に加え、「マッチを擦っても火をつけられない、いまだに蒙古斑が消えない、レバーも納豆も食べられない、たったの五メートルしか泳げない……」と、ないない尽くしからのスタート。これでは、素人が金メダルを目指すようなもんである。
実際、その悪戦苦闘ぶりは、読者を苦笑させずにはおかないだろう。ティッシュや割り箸を口に突っ込んだボイストレーニングでは、吐き気やヨダレと闘い、笑顔を作るレッスンでは「自分がいままで見たことのないようなキモい顔が鏡に映し出され」、愕然としてしまう。”大人の女の恥じらいはいずこへ?”とツッコミたくなるが、おそらく著者は恥じらいよりも、サービス精神を選び取ったに違いない。
おそらく本書によって勇気付けられた女性読者は、著者に続けとばかりに、日本中のいたるところで「女修行」に励んでいるはずだ。これではますます男女の大人格差は拡大する一方。本書姉妹版の「男修行」を誰か書いてくれないだろうか。

  • やさぐれるにはワケがある

    『無頼化する女たち』
    水無田気流/新書y/798円

    現代日本の女性が置かれている困難な状況について、詩人・社会学者の著者が切り込んだ快著。社会的に自立し、従来の文化的ルールから外れて、「無頼化」する女性たち。その潮流がフェミニズムや“負け犬”“おひとりさま”、そして勝間和代ブームといった社会現象やカルチャーを通して分析されていくのだ。君は男として無頼化したレディとどう向き合う?
  • “女は度胸”の時代到来?

    『人生張ってます』
    中村うさぎ/小学館文庫/580円

    作家にして、ハードな実体験に基づくエッセイでも人気の中村うさぎ。彼女が、西原理恵子、岩井志麻子、マツコ・デラックスなど濃すぎる5名の“女”と奔放に語らった一冊である。豪快な金の使い方から壮絶な下ネタまでが飛び交うスリリングな対話を聞けば、小さなことでくよくよする自分がアホらしくなるはず。彼女たちのたくましい生き様を見習わないとね…。
  • ゴーンも真っ青の経営力

    『社長が変われば会社は変わる!』
    石渡美奈/阪急コミュニケーションズ/1575円

    居酒屋で多くの人に愛されているホッピー。その人気商品を生み出した会社では、跡取り娘が大車輪で経営改革に挑んでいる。父の反対を押し切って入社し、広報や人事などで大胆な戦略を打ち出す著者の姿は、さながら女性版カルロス・ゴーンのよう。伝統あるメーカーに風穴を開けるかのような活躍ぶりを見ると、僕らも負けちゃいられないと思えてくるのだ。
  •  
たくましき女子の進化にキミはついていけてる?

※フリーマガジンR25 262号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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