オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

不安解消のカギ! 正しい“将来”の占い方

2010.05.06 THU


『ツイッターノミクス』タラ・ハント・著、村井章子・訳、津田大介・解説/文藝春秋/1650円
人を喜ばせた者に
幸福はやってくる

本書をめくると、いきなり「ウッフィー」という耳慣れないキーワードが登場する。ウッヒャーでもウッヒョーでもなく、ウッフィーである。
「ウッフィー」とは『マジック・キングダムで落ちぶれて』というSF小説に出てくる仮想の通貨のこと。このSF小説の世界では、人助けなど人に喜ばれる行為をするとウッフィーが増え、逆なら減る。そして「貨幣」の代わりに、このウッフィーで買い物の決済が行われるのだ。
むろん、現実の世界は貨幣でモノやサービスの売買をしている。だが著者は、オンライン・コミュニティはウッフィーの世界に近づきつつあることを力説する。たとえばブログやツイッターで、自分(自社)の知識や情報をばんばん発信すると、発信者には大勢の人間からの信頼や共感が集まりだす。こうした信頼や共感の蓄積が、自分の仕事やビジネスにも大きな力となって返ってくるというわけ。
逆に、オンライン・コミュニティでは、金銭ありきのコミュニケーションは「不誠実な行為とみなされる」。やらせのブログを仕掛けたりしたら、ユーザーからの評判はがた落ちする。たしかにネットを使う僕の実感からしても、この指摘は正鵠を射ている。
ただ、著者のメッセージは別段目新しいわけじゃない。「情けは人のためならず」と昔から言ってるし。おそらくリアルな世界でもウッフィーの重要性は一層増している。カネよりも信頼や共感が経済を動かす時代がすぐそこまで来ているのかもしれない。

  • 地球の論じ方

    『「感情」の地政学』
    ドミニク・モイジ・著、櫻井祐子・訳/早川書房/1785円

    欧米は「恐れ」で、アラブ・イスラム世界は「屈辱」、そして中国やインドなどを筆頭とするアジアは「希望」。これは、感情の文化によって現在と将来の世界情勢を読み解いた国際政治学者による見取り図だ。本書の分析によれば、日本は今のアジアの中でも例外的存在で、不安や恐れを抱えた状態だという。今こそ感情的にならず、クールに世界と対峙すべき時かも。
  • ヘタな占いより刺激的

    『未来を予測する技術』
    佐藤哲也/ソフトバンク新書/735円

    明日がどうなるかわからない…なんてぼやいている場合じゃない! 未来を予測する技術はいま急成長しているのだ。この本は、シミュレーション技術の発展と動向について、科学者がぎゅっと圧縮して解説したもの。コンピュータの性能が向上したことで、細胞レベルから地球規模の予測までもができるようになった現状が見えてくるはず。僕らの将来にもぜひ応用したい!?
  • 読者にとっても他人事じゃない!?

    『電子書籍の衝撃』
    佐々木俊尚/ディスカヴァー・トゥエンティワン/1155円

    本が電子化される時代――こう聞いても紙の本に慣れているがゆえにピンとこない人も多いはず。そこで、ネット業界に精通したジャーナリストによる取材の成果を見てみよう。この国の出版文化の問題点、キンドルなどの電子ブックが引き起こしたインパクトを通じて、書籍を取り巻く環境の激変が描き出されている。さて、新しい「本」の台頭を君はどう読む?
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不安解消のカギ! 正しい“将来”の占い方

※フリーマガジンR25 263号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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