オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

恋愛下手から抜け出す! 女ゴコロのつかみ方

2010.05.20 THU


『ニシノユキヒコの恋と冒険』 川上弘美/新潮文庫/460円
究極の八方美人はモテる。
でも、愛することができない

むかむか! なんだ、このニシノユキヒコという女たらしは。中学生のころからモテっぱなし、女性を取っ替え引っ替え、二股、三股かけながらつきあったあげく、そのたびに「どうして、僕は、きちんと女のひとを愛せないんだろう」なんて、ぬかしやがる。自分からは決して振ることなく、別れのセリフは決まって女性から…。
そんなプレイボーイを主人公に置いたこの連作短編小説は、10人の女性がそれぞれ西野幸彦との(主には恋愛の)思い出を語っていくという構成になっている。妙齢の専業主婦であるササキさんは、ニシノくんをこんなふうに評している。「女自身も知らない望みを、いつの間にか女の奥からすくいあげ、かなえてやる男。それがニシノ君だった」。
なるほど。たしかに十人十様に語られる西野幸彦像を読んでいると、彼がそれぞれの女性に最適化した”恋愛したくなる男性”として振る舞っているのがよくわかる。しかも、美男で清潔でスマートで自然体で、優しくて、セックスもうまいのだから、モテないわけがない。
おそらく西野幸彦は、相手の無意識の欲望すら叶えてしまう、究極の八方美人オトコなのだ。だけど、相手にチューニングすることに長けているあまり、彼は「自分の居場所」を見つけることができない、きちんと女の人を愛することができない。
恋愛中は、自分の欲望と相手の欲望がシーソーのように揺れている。どちらに傾きすぎても塩梅は悪いのだろう。

  • 何事も基本が大事

    『30歳の保健体育 ~恋のはじまり編~』
    三葉/一迅社/1400円

    なかなか彼女ができず、恋をしようという気持ちすら失せかけている人こそ手に取るべき本。女性に対する考え方、出会いの場、印象アップや会話のコツ、メールのやりとり、告白など、恋愛の基本を押さえた上で、実践的なアドバイスがよくまとまっている。本書を読んで、見事恋愛が成就したあかつきには本書のアニキ分に当たる『30歳の保健体育』へと進んでみよう。
  • 女性心理を学ぶのにうってつけ

    『あたらしい「源氏物語」の教科書』
    堀江宏樹/イースト・プレス/1575円

    日本の文学史上に燦然と輝くイケメン・光源氏。彼の物語をかび臭い古典のイメージから解き放とうとした野心的な一冊がこちら。みずみずしい恋愛模様が、当時の世相を踏まえて解説されており、まさに“あたらしい教科書”として読めるだろう。現代のラブストーリーに接するように読み進めていこう。平安のせつない恋物語から、平成の僕らが学ぶべきことは無数にある。
  • お熱いのがお好き?

    『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』
    洋泉社編集部編/洋泉社/1260円

    ハーレクインは「ロマンス小説の王様」であり、各国で多くの女性たちに愛読されている存在だ。男からは見えにくいその世界について、エスコートしてくれるのが本書である。主要な作品の特徴やテーマから読者の傾向、そして多様な読み方の指南まで、至れり尽くせりの構成になっている。女性がハマるこの世界にこそ、モテるためのヒントはあるのかもしれない。
  •  
恋愛下手から抜け出す! 女ゴコロのつかみ方

※フリーマガジンR25 264号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト