魚を安く食べられるようになる?

居酒屋チェーンが獲得狙う「買参権」取得のメリットは?

2010.05.20 THU



写真提供/時事通信社
グルメ系サイトで飲み会用の店を探していたら、「当店は市場の買参権を取得して新鮮な魚を仕入れています」とアピールする店が何軒かあった。買参権…あまりなじみのない言葉だけど、一体どんな権利?

「水産物の場合、卸売市場などでセリを通じて魚を仕入れるのは主に仲買人と呼ばれる仲卸業者で、飲食店は仲買人から魚を買っています。このセリに参加できる権利が買参権。取得すると、直接参加できます」(チムニー・高畑勝仁さかな工房部長)

この権利は数十年前からあるが、とくにここ1~2年、居酒屋チェーンが自ら取得に乗り出している。買参権は卸売市場や漁港ごとに設定されていて審査や取得方法もそれぞれ異なるが、築地市場で買参権を取得した大手チェーンは、取得のメリットをこう語る。

「直接セリで仕入れると、仲卸をショートカットした分、コストダウンできる場合があります」(チムニー・高畑氏)

「市場で直接見ることにより、これまで扱っていなかった魚でも良い魚は仕入れられるようになりました。買参権を得たおかげで、仕入れられた商品を傘下店の中の限られたお店で出すことで、チェーン内の店舗の差別化も図れます」(モンテローザ総務部・河辺直さん)

一方、中央卸売市場ではなく新潟や島根、宮城の漁港の買参権を持つ一六堂(「八吉」など)では「漁港で朝水揚げされた魚を、その日の夜お店に並べることが可能です」(一六堂・森健一経営企画室長)という。“のどぐろ”など日本海のブランド魚を安く仕入れられるのも同社ならではだ。

「ブランド魚に限らず、今まで仲買人さんが見向きもしなかったけど食べてみたら美味しい魚と出会えるのも、産地直送ならではの面白みですね」(一六堂・森氏)

そんな魚だって、貴重な海の資源。居酒屋チェーンによる買参権取得の動きは、新たな水産資源の掘り起こしにも一役買いそうだ。
(駒形四郎)


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