オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

そろそろ本気で中国人とお付き合いしてみない?

2010.06.03 THU


『となりの中国人』祐木亜子・著、いぢちひろゆき・画/小学館/1155円
中国で働くことになったら
メシ抜き、残業はNG!

近頃は、ほんとに中国人が身近になったと思う。コンビニやファミレスで、流暢な日本語で応対する姿は頻繁に見かけるし、中国人と国際結婚をした知人もいる。中国人と日本人のつきあいは、今後もますます増える一方だろう。
でも、中国と日本では”おつきあいのマナー”はまったく異なる。いざというときに困らないために、本書で中国人の常識や価値観をざっくり予習しておこう。
たとえば、中国人は「たとえ期限が差し迫った仕事があろうが、それを理由に食事を抜きはしない」。彼らにとって「食」は「職」に勝るのである。中国人の前では、残業も極力避けた方がいい。彼らは、残業する人を「勤務中に仕事を終わらせられない無能な人間」と思うそうで、カップラーメンをすすって徹夜なんてしようものなら、おそらく人間失格の烙印を押されてしまうこと必至である。
中国人の価値観をおもしろおかしく説明した本は数多くあるが、本書が好ましいのは”ここがヘンだよ、中国人”という茶化した目線ではなく、違いは違いとして理解した上で、中国人の流儀を尊重する姿勢が貫かれていることだ。だから、日本人にとってはヘンと思えるような習慣に注がれる視線も、どこかあったかい。
著者は、中国での仕事や生活にストレスを感じ、引きこもりになったり、会社を辞めようと考えたりした時期もあったという。本書から感じられる度量の広さは、数々のトラブルをくぐり抜けてきたからこそ、なのだろう。

  • 「違い」の認識も違うんです

    『日本と中国──相互誤解の構造』
    王 敏/中公新書/798円

    本書は、中国人の目から“日本と中国の価値観の違い”を分析した1冊。著者によれば、日本で暮らす中国人は、“同じ漢字を使っている国なのに、こんなに違うの?”というカルチャーショックを受けるという。同じカルチャーショックでも、日本人が中国の地で感じるそれとはずいぶん質が違うようだ。「相互誤解」の認識の仕方にも違いがある点が興味深い。
  • わてら陽気なチャイニーズ

    『今日も、北京てなもんや暮らし』
    谷崎 光/飛鳥新社/1500円

    『中国てなもんや商社』でベストセラーをかっ飛ばした北京在住の作家による、ディープな中国エッセイ集。これまでの著作同様、おかしみのある筆致で、中国のリアルな姿を伝えている。現地でのさまざまな出来事から見えた中国人のパワフルな国民性、食品や治安の問題点、そして北京五輪の体験記など、満漢全席の如く次々に出てくるトピックにお腹いっぱい。
  • オタク文化が中国を動かす!?

    『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』
    遠藤 誉/日経BP社/1785円

    中国では若者を中心に、日本の「動漫」が人気を集めている。「動漫」とはアニメと漫画をひとくくりにした中国語。この本は、『スラムダンク』や『クレヨンしんちゃん』などのブームを踏まえ、そこから中国の将来や日中関係のあり方、海賊版の影響といった多岐にわたる議論を展開した好著。超大国の意外な側面は、今後も注視していく価値がありそうだ。
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そろそろ本気で中国人とお付き合いしてみない?

※フリーマガジンR25 265号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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