オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

趣味がないのは男としてカッコ悪い?

2010.06.17 THU


『趣味は何ですか?』 高橋秀実/角川書店/1680円
趣味研究に悪戦苦闘、
そもそも趣味とは何なのか

いやはや趣味の道は奥が深い。
とある講演会場の質問者から「先生の趣味は何ですか?」と問われたものの、何も頭に浮かばずに「すみません、ない、ような気がします」と答えた著者の高橋さんは、以来、手当たり次第に人の趣味を尋ねまわったり、蕎麦や登山、ボウリングなどを実体験しながら、”趣味とは何か”を探求した。
その研究成果たる本書には、じつにさまざまな趣味人が登場する。航空無線を傍受する民間機マニア、約2万4000もある郵便局の消印のコンプリートをめざす消印コレクター、自宅マンションで8頭ものアルダブラゾウガメを飼うカメ好き、エコのためにマイ紙コップを持ち歩く環境活動家などなど…。彼らの趣味へのハマリっぷりを読むにつけ、履歴書の趣味欄に読書と音楽鑑賞ぐらいしか書くことのない自分が、なんともつまらない人間に思えてくる。
とぼけたルポには定評のある著者は、じつに絶妙というか微妙な距離感で、趣味人たちの話を聞きだしていく。なかでも、専業主婦のヨギー(ヨガをする人のこと)とのヨガトークが、なぜかセックスの話に転がっていく一節は、腹がよじれるほど笑えて仕方がない。著者本人も「ヨガの話なのか、セックスの説明なのかわからなくなってきた」という始末。
結局、高橋さんは趣味を見つけることができたのかどうか。それは本書を読んでのお楽しみだが、終盤には意外な趣味解釈が開陳される。それもじつに高橋さんらしい。

  • 風変わりな行動のすすめ

    『暮らしの哲学 やったら楽しい101題』
    ロジェ=ポル・ドロワ・著、鈴木 邑・編/ヴィレッジブックス/725円

    タイトルに「哲学」とついているからって身構える必要はゼロ。本書に掲載されているのは、さながら変わった行動のススメといったところか。たとえば、1000まで数えるとか、青い食べ物をさがすとか、おしっこしながら水を飲むとか…。「やったら楽しい」かどうかはさておき、こうした変わった行動も、ハマれば趣味に昇格する可能性だってなきにしもあらず。
  • もしもピアノが弾けたなら

    『アダルト・ピアノ おじさん、ジャズにいどむ』
    井上章一/PHP新書/756円

    人気者になってモテたい──そんな不純な動機からスタートした中年学者のピアノへの挑戦。楽譜をどう読むか、練習時間をいかに確保するか、といった具体的な方法論は実用性高し。また、家族の無理解や聴いてもらう場を作る大変さなどについても率直に綴られていて面白い。忙しい四十路からでも、新しい趣味は持てるのだという将来への希望の書として読まれたし。
  • 和の手習いでリフレッシュ

    『「和のおけいこ」事始め 書道から仏像鑑賞まで35の手習い』
    森 荷葉/講談社プラスアルファ文庫/650円

    書道、華道、茶道から日本舞踊、弓道、雅楽まで、35種類の「和のおけいこ」に入門するコツをコンパクトにまとめた1冊。先生の選び方や費用、お礼など、外部からはわかりづらい点も丁寧に説明してくれている。「『もしかして、プチうつ?』と煮詰まり気味の方にイチ押しなのが、狂言のおけいこです」など、和の手習いは精神衛生上にも効果がありそうだ。
  •  
趣味がないのは男としてカッコ悪い?

※フリーマガジンR25 266号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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