オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

実はこんなに面白い! いまどきの大学を使い倒せ

2010.07.01 THU


『高校生のための東大授業ライブ』熱血編・純情編 東京大学教養学部編/東京大学出版会/各1890円
金曜日の夕方は
東大の授業を受けてみよう

東京大学の教養学部では「高校生のための金曜特別講座」と銘打って、年間22~23回、高校生向けに公開講座を開いているそうだ。しかも、一般社会人でも参加可能で参加費は無料。
さてさて、いったい高校生向けにどんな授業をしているのか。これまでの講義をまとめた本書を読んでみてビックリした。すっごくレベルが高いじゃないか!
たとえば「熱血編」所収の「『タイム・マシン』の歴史主義的解釈」では、SF作品の『タイム・マシン』の内容を、後期ヴィクトリア朝のさまざまな思想──啓蒙主義、マルクス主義、ダーウィニズムなど──の表れとして読み解いていく。一見、荒唐無稽な「西暦80万2701年」という未来世界を描いた小説が、じつは書かれた時代の思潮や世相と密接にリンクしていることを解き明かしていく授業は、知的興奮度満点だ。
「純情編」にある「英語達人の法則」は、新渡戸稲造や鈴木大拙など、英語達人の修業内容を紹介しながら、効果的な英語学習法を解説したもの。先生によれば、もっとも多くの達人が実践していたのは「英書の多読」。新渡戸稲造は、図書館ごと読んでいたというから驚きだ。語学にも近道はないらしい。
熱血編と純情編にはそれぞれ14の講義が収められ、文系と理系の割合もほどよいバランス。地球温暖化問題、持続可能な平和、ナノの世界など、現代的なテーマへの目配りもよくきいている。興味を持った人は、ぜひ実際の講座にも足を運んでみよう!

  • ハーバードの名講義に出席だ

    『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』
    マイケル・サンデル/早川書房/2415円

    アメリカの政治哲学者による大人気の講義をもとに作られた一冊である。履修者数はなんとハーバード大学史上最多とか。そんな正義のあり方に関するハイクオリティな議論を日本語で読めるのは実にありがたい。なにせ本書を開けば、そこはもうサンデル先生の教室なのだから。今後、世界の大学のこういった名講義が、どしどし書籍化されていけばいいのになぁ。
  • 大学に戻ってみる?

    『社会人のための大学案内 2011年度用』
    晶文社学校案内編集部/晶文社/1995円

    もっと勉強しとけばよかった…世間に出てからそんな後悔をしている人は多いだろう。その無念を晴らす手段として、社会人入試や社会人編入学を利用してみるのはありかも。このガイドブックには社会人にも開かれた600近くもの全国の大学が紹介されている。豊富な学部やエリアの情報は参考になるはず。何をどのように学びたいのか、再確認するのにもうってつけだ。
  • 社会人の勉強法にも応用可能

    『大学で勉強する方法』
    A・W・コーンハウザー/玉川大学出版部/1020円

    大学での学習法本のロングセラー。「あなたの課題を明確にしなさい」「よい健康状態を保ちなさい」「重要なポイントについてメモをとりなさい」など、100ページほどのボリュームのなかで、効果的に勉強するヒントがコンパクトにまとまっている。本書が紹介する学びの作法は大学以外の場でももちろん応用可能。学生に戻ったつもりで、無心に読み込むのが吉。
  •  
実はこんなに面白い! いまどきの大学を使い倒せ

※フリーマガジンR25 267号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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