オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

話のネタができる うんちく科学本

2010.08.05 THU


『アインシュタインと猿』 竹内 薫・原田章夫/ソフトバンク クリエイティブ/1000円
奇想天外な「問い」から
科学の楽しさを体感!

「たけしのコマ大数学科」でもおなじみの科学作家・竹内 薫さんが、処女作として『アインシュタインと猿』を刊行したのが1989年。売れ行きはさっぱりで、誤植もいっぱい残っていたらしい。書き手としては、後悔が残る処女作だったに違いない。
が、20年の時を経て、処女作は見事によみがえった。クイズ形式で最先端の物理の世界を紹介するという本書の構成は、「科学を楽しく解説する」ことを天職としている竹内さんの原点を見るようでついニンマリとしてしまう。
たとえば、「日本の海岸線の長さは?」という問題からフラクタル図形を説明したり、宇宙飛行士は地球の人々より長生きするかどうかというクイズから、アインシュタインの特殊相対性理論を解説したり。正直、僕のアタマでは理解が難しい箇所もけっこうあるのだけど、共著の原田さん(竹内さんの叔父さん)が僕のような読者に代わって、素朴なツッコミをしてくれるのがありがたい。
素朴といえば、鏡はなぜ左右だけが逆になり、上下はそのままなのかという疑問は本書を読んでやっとその理由がわかった。なるほど、鏡のなかで逆転するのは「左右」じゃなく「前後」だったのか!
それにしても科学屋さんというのは、ヘンテコなことを考える人種だ。人間に「つむじ」があるのはなぜかなんて、考えたこともなかった(解答は爆笑モノなので伏せておきます)。奇想天外な「問い」の面白さを堪能できるだけでも読む価値は大いにある。

  • “道”との遭遇

    『となりの車線はなぜスイスイ進むのか? 交通の科学』
    トム・ヴァンダービルト/早川書房/1890円

    帰省ラッシュの大渋滞でイライラしたことがある人は必読だ。本書は、複雑で奥深い交通の世界を科学的な視点で論じたもの。駐車場や高速道路といった場所についての考察からドライバーの視覚に関する見解まで、盛りだくさんの内容だ。読んだからといって渋滞を抜け出せるようになるわけじゃないけど、目からウロコの豊富な雑学は、まさに“道”との遭遇だ!
  • 彼女の全てを把握したいっ!?

    『男が知りたい女のからだ』
    河野美香/ブルーバックス/903円

    生理ってどんなもの? アソコってどうなっている? 彼女はどんなタイミングで性欲を感じているんだろう? そんな男子が興味津々の数多の疑問に対して、女医が的確に答えてくれる一冊。デリケートな女性のからだのあれこれについて理解を深めるにはもってこいだ。それに憧れの彼女のボディへの好奇心をとっかかりに、人体の不思議を体感するのも悪くない。
  • 僕らの社会の未来予想図

    『ポスト・モバイル ITとヒトの未来図』
    岡嶋裕史/新潮新書/714円

    スマートフォンや電子書籍など、近年、世間を騒がす新しいツールが次々に登場した。それらの技術によって僕らの社会がいかに変わるのかを捉えようとした快著である。専門的な言葉を多用せず、ケータイからツイッターに「ラブプラス」まで、身近なトピックを通じて、人間とコンピュータの関係を掘り下げていく手際はお見事。そこから意外な未来も見えてくるはずだ。
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話のネタができる うんちく科学本

※フリーマガジンR25 269号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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