“菅vs.小沢”首相の座はどちらへ?

「総理大臣」ってどうして僕らが直接選べないの?

2010.09.02 THU



写真提供/時事通信社
民主党代表選まであと10日あまり。小沢さんの出馬で注目される一方で、与党の党首選といえば事実上、次の首相を決める大切な選挙。だとすれば、国民みんなで首相を選びたい気もするが、なんで米国の大統領制のように、日本も「首相公選制」にしないのだろうか。

ところが、この「首相公選制」、そんな簡単に実現できる話ではなかったりする。たしかに、首相が米大統領のように国民に直接選ばれた立場なら、任期中は基本的に安泰なので、首相が次々と交代することはなくなるはず。与党幹部の話し合いで次の首相を決めてしまうような談合政治とも決別できる。国会で不信任案を突きつけられる心配もなくなり、本当の意味での政治主導やリーダーシップを発揮できるかもしれない。だが、そうしたメリットがある一方で、首相公選制には高いハードルもあるのだ。

そのひとつが憲法。日本の憲法では、首相は国会議員のなかから国会の議決によって決めるとされている。憲法上、首相は「国民」ではなく「国会」が選ぶことになっているわけだ。となると憲法改正が必要なうえ、首相公選制が導入されたとしても、一時の人気でとんでもない独裁者を選んでしまう危険性もあり、首相の所属政党と国会の多数派が異なったときに議会運営が難しくなるといった問題もある。実際、首相の指導力強化を目的に世界で唯一首相公選制を導入したイスラエルは、小政党が乱立するなど政治が混乱し、5年で首相公選制を廃止してしまった。そのため、中曽根元首相や小泉さん、鳩山さんなど、いろんな政治家が首相公選制を提唱してきたが、結局議論が具体化しなかった経緯があったのである。

そもそも、制度を変えたからといって政治がよくなるとはかぎらない。日本と同じ議院内閣制の英国でサッチャー元首相のようにリーダーシップを示した人もいれば、大統領制の米国でろくに力を発揮できなかった人もいる。首相を直接選べるというのはたしかに魅力的だが、そのまえに考えるべきこともたくさんあるのだ。
(押尾銅山)


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