高い、高いと聞きますが…

日本の空港の「着陸料」は世界と比べてどんだけ高い?

2010.11.04 THU



画像提供:毎日/アフロ
韓国・仁川とのハブ空港争いなどもあり、日本と諸外国との空港運営が比較されることが多くなった。なかでもよく話題に上るのが航空機の着陸料。日本は高いっていうけど、実際のところ、どれくらい高いのだろう?

「着陸料とは、一言でいえば滑走路の利用料。諸外国に比べて日本の空港の着陸料が高いのは事実ですが、航空会社が負担する空港使用料は着陸料だけではありません。ボーディングブリッジの使用料など空港設備の利用料も含めたトータルの料金で比較すれば、羽田はロンドンの2分の1以下、パリやニューヨークよりも安くなっています」(国土交通省・航空局企画室・山崎雅生氏)

諸外国では他の設備使用料を高くして、着陸料を安く抑えているという。ではなぜ日本だけ、着陸料が高いままなのだろう?

「日本の空港は、ほぼ着陸料だけで空港使用料を回収しようとするため、着陸料が高くなってしまうのです」(慶応大学商学部・交通経済学・中条潮教授)

なぜ日本だけがそんな状態に?

「日本の多くの空港では滑走路部分を国が管理しているため、施設ビルとの一体運営ができません。両者一体で運営する諸外国に比べ、経営効率が悪いのです」(中条氏)

これに加えて、空港整備特別会計の存在が、使用料の多様化を阻んでいるという。

「端的に言えば今の日本は、各空港が稼いだお金をいったん国に集めてそれを各々の空港に再分配する形で地方の空港が運営されています。そのため個々の自治体が自分で経営努力をしなくなる面もあります。空整特会をやめて国が持っている滑走路を一度全部地方自治体に移譲すれば施設と滑走路の一体運営ができます。その上で地方の首長さんが経営を考えれば、国際的な競争力を持つ空港も出てくるかもしれません」(嘉悦大学経営経済学部・高橋洋一教授)

その一方で、空整特会があるおかげで存続している地方空港もある。日本の空港運営のあり方を考えるには、より深い議論が必要なようだ。
(駒形四郎)


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