「内向き」なのはむしろ上司世代?

20代は海外就労に前向き!? 「若者の海外離れ」説の真偽

2010.11.18 THU



写真提供/AFLO
先日、発表された内閣府の調査によれば、20代の若者の40%が「海外で働くことに関心がある・どちらかといえば関心がある」と回答したという。30代以降の数値と比べると、若者の海外への関心は高い(下表参照)。この内閣府調査は、今回が初めてのため、過去との単純比較はできないが、“若者の海外離れ”が叫ばれる昨今、この4割という数字をどう読み解けばいいのだろうか。若い世代の現状に詳しい関西学院大学社会学部の鈴木謙介准教授に“若者と海外”について話を聞いた。

「おそらく、海外で働きたい若者と日本を出たくない若者に二極化しているのではないかと思います。その背景には、現実としてグローバル化に直面せざるを得ない環境があることが大きいでしょう。つまり、地元で一生を終えるのか、海外で働くのもアリか、といったことを決めておかないといけないという圧力が高まっているわけです。実際に海外に行くかはともかく、『どっちにする?』と問われると、答えが2つの方向に分かれているのではないでしょうか」

以前よりも、社会不安は増大しており、安定を志向する若者が増えているといわれている。それがゆえに、日本の環境のなかでできる限り安定を求める者と、あえて外部に活路を求める者に分かれるのかも。

「ネットの普及で世界中と容易に連絡が取れるようになりましたが、かえって、リアルな場において仕事がこなせる人の価値が高まっているともいわれています。昔の海外勤務は、いつかは日本に帰るというコースが一般的でしたが、現在は、一度海外に行ったら、その土地が自分の人生の中心になる可能性もありえる。以前とは“覚悟”の質が変わっていると思います」

外務省によれば、長期滞在のうち、企業の海外赴任者は減っている。しかし、総務省の人口統計によれば、日本人の国外流出数は増えているのだ。硬直化した日本の雇用を嫌って海外へ出る若者もいる。大きな流れになるかはともかく、事実の一側面とはいえそうだ。
(新型 光)


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