ベイスターズ売却は流れたけど…

誰がどうやって決める? カイシャのお値段算出法

2010.11.18 THU



図版:藤田としお
結局、売却が白紙になったプロ野球の横浜ベイスターズだが、売却が成立すればその価格は数十億円だった、とも。でも、この値段って果たして誰が決めているのだろう。かつて産業再生機構で活躍、現在は企業の経営サポートなどを手がける経営共創基盤(IGPI)のパートナー、斉藤剛さんに聞いた。

「比較的大きな企業や上場企業のM&Aの場合には、多くの外部企業が価値査定に関与します。例えば、事業計画の妥当性を査定する経営コンサルティング会社、資産内容を精査する会計士事務所、土地建物を評価する不動産鑑定会社など、複数の企業が業務を委託されるケースがほとんどです」

なるほど価格の算出は、複数の外部アドバイザーの“合わせ技”になるのだ。では、その価格はどうやって決められるのか。

「基本は、将来生み出すキャッシュを現在の価値に換算した額と、本業以外の保有資産などの価値の足し算引き算です。そのために必要になるのが、本業が将来にわたっていくらキャッシュを生み出すかを示す事業計画や、本業とは直接関係のない株や土地建物などの評価額、将来払わなければいけない年金債務などの潜在的債務など、金銭価値に換算できる数字群なんです」

だが実は、横浜ベイスターズの場合、これらにあてはめて計算すると買収額は0円どころか、マイナスになってしまうとか。

「本業部分が年間20億円もの赤字で、処分可能な保有資産もない。毎年、キャッシュが持ち出しになるわけですから、これでは0円でも買うことは正当化されません」

ではなぜ、数十億円もの値段がついたのかといえば、買収する企業側にもたらされる“ブランド価値”が見込まれているから。

「球団買収による知名度アップが広告宣伝価値として加算されているんでしょう」

だがこの広告宣伝の価値、買収する企業の業種や経営戦略でも変わるという。買収企業によって買収額が変わる案件だというのだ。カタチのない“団体”の値付け、やはり一筋縄ではいかないようである。
(上阪 徹)


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