達人の“頭の中”に侵入セヨ!

第3回 コピーライターの頭の中に侵入セヨ!

2010.12.03 FRI

達人の“頭の中”に侵入セヨ!


渡辺潤平氏(渡辺潤平社)。かつて博報堂に在籍し「スカパー!がやらなきゃ、誰がやる?」などのコピーを考案。現在はフリーランスで活躍

「アイデア」を生み出すプロのコンディショニング



第3回の今回、話を伺ったビジネス達人は、TVCMや雑誌・新聞広告などのコピー(広告文)を書いている、コピーライターの渡辺潤平氏。ユニコーンの再結成広告や進研ゼミ高校講座のTVCM、千葉ロッテマリーンズのポスターなどは、見覚えがある人も多いだろう。ところで、コピーライターとは具体的にどんなお仕事?

「広告を制作するうえで、企業とお客様とのコミュニケーションの指針を示すのが僕らの仕事。“書く”という仕事は全体の5割程度で、あとはクライアントとの話し合いから言いたいことを汲みとったり、逆に自分のアイデアについて説明したり…と、よく考え、よく話す仕事です(笑)。たとえばひとつの商品に対しても、立場によって強調したいことは変わりますよね。だけど100のアイデアのうち、世に出るのはひとつだけ。ただアイデアを出すだけじゃなく、どうすれば一番伝わるか、それはなぜなのか。吟味して、説明し、決定するところまでが仕事なんです」

“目を引くフレーズを考えるアイデアマン”的なイメージだったけど、かなり根気が必要な仕事みたいだ。では、アイデアを生み出すためにどんなことをしている?

「“缶詰を発明したのはナポレオン”など、聞いて『へぇ』と思ったことや、街中で気になったフレーズは、アイデアの種としてノートやiPhoneにメモしています。また、自分が集中しやすい環境を作るため、明るく開放的な事務所を選びました。プロのスポーツ選手は、試合で勝つために日々コンディションを整えますよね。僕もプロのコピーライターなので、休日も1時間だけは喫茶店でプランを練ったり、事務所で考えたりして、頭が完全に仕事から離れないようにしています。忙しいときのほうが良いアイデアが浮かぶタイプなので、意図的に忙しくしていますね」

なるほど、常に考える習慣づけをするってことか。アイデアが浮かばないことはないの?

「広告対象になる商品さえあれば、必ず何かアイデアが生まれます。『思いつかない』というのは、コンディショニング不足の言い訳。僕に仕事を頼んでくれたからには、常に良い結果を出したいですからね。できる努力は全部しなくちゃ」

アイデアを生み出すためのコンディショニングも含めて、プロの仕事! うーん、頭が下がります…。まずは自分が集中しやすい環境を探るところからはじめてみるか。
予告編でもおなじみの、街が上から降ってくるシーン。夢の中ならどんなことも可能になる

もう一度観たくなる! 『インセプション』の世界



あの話題作『インセプション』が、ブルーレイ&DVDになってついに登場! 惜しくも見逃してしまった人はもちろん、映画館で観た人も、きっと楽しみにしていたはず。家で映画を見ることも多い年末年始、もう一度話題になることは間違いなさそうだ。

というわけで後編では、引き続きコピーライターの渡辺潤平氏にインタビュー! 『インセプション』の魅力について掘り下げていきたいと思う。少し構えて観たと聞いたけど…?

「Twitterで『複雑で面白い』という反応が多かったから、ちょっとドキドキして映画館に行ったんです。実際観てみたら、夢の深い階層にどんどん潜り込んでいくあたりで、どういう構造になっているのか見失いかけました。深読みしすぎて、途中までは仲間の誰かが主人公を裏切るんじゃないかと疑ってましたし(笑)。でも、評判通り面白かったです。観てよかったと思います」

あの斬新な世界観は、たしかに一度観ただけでは理解しきれないかも。うーん、俺ももう一度DVDで観たい! では、特にどんなところが印象的だった?

「予告編を観て楽しみにしていたので、やはり街が上から降ってくるシーンが印象的でした。夢を設計するなんて、どうやるのか全然想像がつかないけど、面白そうな仕事ですよね。でも、自分は夢を覚えていないタイプだから、実際に『インセプション』みたいな技術があったら困りますね。気づかないうちにどんどん盗まれちゃう(苦笑)」

渡辺氏は、コピーライターというまさしくアイデアそのものを取り扱う仕事柄、自分の身に置き換えて考えながら鑑賞したみたいだ。では、頭の中をのぞいてみたい人はいる?

「画家やミュージシャンなど、言葉以外のもので表現活動をする人に興味があります。自分とは頭の構造が絶対に違うと思うんですよね。本格ミステリが好きだから、ミステリ作家の頭の中にも興味があります。でも、たとえのぞけたとしても、アイデアを盗みはしないかな。そこはグッとガマンで、他人のアイデアに頼らないですむよう、これからも頑張らなきゃと思いました」 他人の夢の中に侵入する…という
まったく新しい発想で
世界中を楽しませてくれた『インセプション』。
だが新しいからこそ、
一度観ると多くの疑問が湧いてくるはず。

そんな人にとって、今回のブルーレイ&DVD発売は朗報。
観れば観るほど謎がほどけてきて、
新しい解釈に出会えるからだ。

何度も観て、
その全貌を把握しよう!

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