コメ778%、バター360%…!

もし関税が撤廃されたら輸入食品は激安になる!?

2010.12.16 THU



写真提供/DAJ
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への日本の参加をめぐる議論が迷走している。反対派の声も大きいというが、何が問題となっているのだろう? これまでにも日本は二国間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を結んでいるのだし、TPPでまとめてしまっても問題なさそうなんですが…。

「確かにいずれも貿易自由化のための協定ですが、FTAでは相手国ごとに関税撤廃の品種や低関税枠を定めることができました。一方、TPPは原則として100%関税自由化を目指しているので、国内の農業関係者が警戒しているんです」とは亜細亜大学・アジア研究所の石川幸一教授。関税が撤廃されると農家はそんなに困る?

「精米(778%)、バター(360%)、砂糖(328%)、小麦(252%)など国内市場保護のために高い税率が設定されている産品への影響は大きいでしょう。ただし、それ以外の食品の関税はそこまで高くありません。EPA締結国からの輸入品を除いて、食用野菜なら5~10%。鮮魚はほとんどが5~10%です。食肉では、鶏肉が20%以下、牛肉は38.5%。輸入牛肉の国内販売価格を関税面だけで考えた場合、仮に1kgが1385円だったなら、385円安くなる計算になるのでそれなりの影響は出てくるでしょう」(同)

ではTPP参加は難しい?

「国内農業が打撃を受けないためには、韓国のように関税による保護から所得補償に変え、安全性や美味しさなど品質の高さを前面に出し、大規模化により競争力の強化を図るなど農業改革を同時に進める必要があります。また、TPPに加入してもすぐに関税が撤廃されるわけではありません。加盟国間で話し合いながら数年かけてゼロにしていくのです。ただし、TPP内でどんな取り決めを進めているかの詳細は加盟国以外には知らされないので、加入しないと正確なシミュレーションができません」(同)

賛否はともかく、まずは交渉の席につくことが必要なのかもしれない。
(麻生雅人)


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