達人の“頭の中”に侵入セヨ!

第5回 有名玩具メーカー社員の頭に侵入セヨ!

2010.12.17 FRI

達人の“頭の中”に侵入セヨ!


武田誠氏(タカラトミー勤務)。アナログゲームのマーケティング担当

情報収集&未来予測で長く愛されるアイデアを生み出す



第5回の今回、話を伺ったビジネス達人は、玩具メーカー・タカラトミーにお勤めの武田誠氏。「人生ゲーム」のマーケターとして、「人生ゲーム」や「黒ひげ危機一髪」など、アナログゲームの開発に携わっている。まず、具体的な仕事内容は?

「たとえば人生ゲームに関していえば、ベーシックなモノに加え、リアルで辛口な大人向けの『人生ゲーム極辛』や、様々な変化がある世相を反映した『人生ゲーム ドリームチェンジ』などの企画モノがあり、常にその開発のため動いている状態。セールスプロモーションを中心に、次の企画のテーマやマス目の内容などを開発担当者と一緒に考えるのも僕の仕事。人生ゲームを遊び込んだりもします」

えっ、ゲームをするのが仕事? かなり羨ましいような…。

「…と言うと、ホントに遊んでるみたいですね(笑)。遊んでいくことで少しずつゲームバランスを調整したりします。人生ゲームは人生を疑似体験するゲームなので、性格によってプレイスタイルに特徴が出るんです。だから、開発担当がひとり4役になりきって、ひとりで人生ゲームをすることも。発売までに何度もプレイすることで、より多くの人にとって面白いゲームにしていくことが大事。最終的に開発の現場は、アイデア合戦みたいになりますよ」

それは頼もしい! ズバリ、武田さんのアイデアの源は?

「新しいコトもモノも、まずは試してみることです。仕事として3D映画も観に行きましたし、『Twitterが流行ってるらしい』と聞いて、よく分からないままにはじめたことも(苦笑)。人生ゲームは家庭などで長年にわたって楽しまれるゲームなので、世相を反映しつつも古くなり過ぎないマス目を考える必要があります。そうすると、雑誌やネットで“にわか最新情報”を集めたところで意味がありません。今流行っているモノが数カ月~数年後どんな存在になっているか、長期的な予想を立てる必要があるんです。世の中の流れを肌で感じるためにも、常に新しいコトやモノに自分をさらすようにしています」

ちなみに2010年春に発売された「人生ゲーム ドリームチェンジ」には、「3Dテレビ」「子ども手当」「婚活」「キャラ弁」などに関するマス目が! うーん、今年っぽいぞ。もちろん、武田さんのアイデアも含まれているそうだ。

世の中の流れを知るだけじゃなく、体験してみることで、長く愛されるアイデアを生み出すことができるってわけか。俺もネット検索で「分かったつもり」になるのはやめて、どんどん新しいことに挑戦してみるか!   
夢から覚めた渡辺謙が、あわやディカプリオと大激乱闘!?のシーン

映画もゲームも現実味があるから面白い



ブルーレイ&DVD発売直後から絶好調の『インセプション』。大画面で観る映画の良さはもちろんだが、DVDならではの特典映像も楽しみのひとつ。「映画も観たけどDVDも観た!」という読者も多いのではないだろうか。

というわけで後編では、さっそくDVDを観たというタカラトミー・武田誠氏に引き続きインタビュー。『インセプション』の魅力についてお話しいただこうと思う。それでは、率直な感想を!

「久々に入り込み過ぎて、シーンによっては声が出ちゃいました。難しい映画なのかと思っていたんですが、複雑なストーリー展開の割にまったく“置いてきぼり感”がないのがすごいですね。かなり長い作品なのに中だるみも一切なし! 奥さんと観たんですが、ふたりとも大満足でした」

どうやらかなり楽しんでもらえた様子。気になったシーンはある?

「やっぱりラストシーンです。結局どこまでが夢なのか、観終わった後ふたりで散々話し合いましたよ。何回でも観直せるのがDVDのいいところ。『インセプション』は何度も観たくなる映画なので、DVDで観て正解だったかもしれません」

たしかにラストシーンは気になるところ。ブルーレイ/DVDの特典映像にもヒントがあるとかないとか…。まだ観ていないという人は、ぜひチェックしてもらいたい。では、『インセプション』に共感するポイントはあった?

「僕は『人生ゲーム』という人生を疑似体験するゲームを作っているので、現実を疑似体験できるという映画のコンセプト自体に共感しましたね。遊んでくれる子どものためにも夢いっぱいのゲームにしたいとは思っていますが、現実味ゼロじゃゲーム的に面白くない。きっと『インセプション』の夢も、壮大過ぎたら『なんだ、夢か』って気づかれちゃうと思うんですよ。夢の中に挟み込む現実味の割合がポイントなんじゃないかな。でも、夢だけじゃ食べていけないし、現実味ばっかりじゃ面白くない…これって、リアルな人生と同じですね」 この連載も残すところあと1回。
今回は、ロングセラー商品の開発秘話から、
長く愛されるアイデアが生まれる瞬間を
垣間見ることができた。
闇雲に情報収集するだけじゃなく、
情報に愛着を持つことで生まれるアイデアがあるようだ。

映画『インセプション』に愛着を持つには、
何度も観るのが一番!
ブルーレイ&DVDならではの
特典映像もお楽しみに!

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