オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

ヒットメイカー、かく語りき!

2011.02.17 THU


『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』 伊藤信吾/講談社/1365円
格好悪さを突き詰めたところに
本当の格好良さがあるんだぜ

スーパーの豆腐売り場で、ひと際異彩を放っているアイツらの躍進ぶりは、いまさら説明不要だろう。「男前豆腐」「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」「マサヒロ」など、豆腐界を震撼させた商品を、オトコたる者なら一度は食べたことがあるはずだ。
本書は、そんな大ヒット商品の生みの親である男前豆腐店社長による、これまたオトコ臭い商品開発ストーリーを綴ったもの。
高校から大学時に、矢沢永吉の本にかなりの影響を受けたとあって、仕事も文章も「ロケンロー」度数はきわめて高い。なにせ、まえがきの書き出しからして「グッとくるぜ──そういう評価が最高です」だ。
父の経営する豆腐屋に入社して、6~7年間は悶々とする毎日。業界は価格競争のプレッシャーで、安い豆腐の叩き売り状態に瀕している。商品企画を担当するようになった著者は、従来の「豆腐」像を覆すヒット商品を次々と送り出していった。デザインは「なるべくダサくて格好悪く」し、製造工程もイチから構築する。「ジョニー」にいたっては、1年半にも及ぶ研究と実験を重ねて、ようやく完成したという。
「稟議の世界でもの作りしてたんじゃあ、本当にいいものなんて作れねえよ!」と啖呵を切る著者の、味や形へのこだわりは尋常ではない。ジョニーの開発時には、社内の味方もどんどん減っていったそうだ。
が、だからこそ、出来上がったものには絶対の自信を持っている。本書の端々に登場する永ちゃんっぽい名ゼリフは、そんな自信の表れだろう。

  • 魅せるスーパーテクニック

    『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』
    カーマイン・ガロ/日経BP社/1890円

    ごう慢な変人? それとも偉大な革命家? 毀誉褒貶は激しいが、間違いなく世界を代表する実業家・ジョブズ。彼はまたコミュニケーターとしても圧倒的な存在感を放っている。本書は、この巨人のプレゼンを詳細に分析したものだ。ストーリーを描き、練習を重ね、本番では小道具も活用し、聴衆の心を震わせる。そんなジョブズの雄姿にシビれ、そして学んでみよう。
  • 今も昔もトップランナー

    『企画脳』
    秋元 康/PHP文庫/560円

    おニャン子クラブから黒人演歌歌手のジェロ、そして大人気アイドルプロジェクト・AKB48まで、常にヒットを生み出し続けるクリエイター・秋元 康。彼は、日常に転がるヒントを記憶し、そこから企画作りを始めよ、と説く。本書に記された勉強術や人間関係など、簡単そうで実は奥深い数々のやり方を読むにつけ、20年以上も成功し続けることの凄みを実感させられる。
  • ライターは書くだけにあらず

    『書いて生きていく プロ文章論』
    上阪 徹/ミシマ社/1680円

    経営者、アスリート、エンジニアなど、3000人を超える成功者に取材した辣腕ライターが、文章を綴ることについて正面から論じた一冊。といっても、書く行為だけに限定した内容ではない。下調べをし、人に会い、耳を傾け、メモを取り、それをまとめていく…。そう、まさに仕事の心がけや人との触れ合いにも関わる「生きていく」ための手がかりに満ちた本なのである。
ヒットメイカー、かく語りき!

※フリーマガジンR25 280号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文
text TETSUYA SAITO

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