前職の営業秘密バラしたら…

競合への転職はご用心! 「産業スパイ」で逮捕されちゃう?

2011.03.03 THU



画像提供/Getty Images
年明け早々の国会でも話題になった「不正競争防止法」。“産業スパイ”による国外企業への情報流出問題もあり、前職で得た営業秘密を使用・開示する行為には、国も企業も敏感になっているみたい。転職して新たな職場で働き始める人も多い4月に向け、僕らも注意した方がいいのかも…ということで、エルティ総合法律事務所の大倉健嗣弁護士にお話を聞いてみた。

例えば、同業他社に転職して、前職で得たノウハウを活かして仕事をすると、“産業スパイ”になっちゃうってこと?

「ポイントは、そのノウハウが『営業秘密』に該当するかどうか。秘密管理性・有用性・非公知性の全てを満たしているかどうかが争点になります」

大倉先生によれば、秘密管理性の有無は、書類の施錠保管やアクセスの制限など、その情報が客観的に“秘密”として管理されている状態にあるかどうかが判断基準になるそう。そのうえで事業活動に対して有用であり、公に知らされていないことが「営業秘密」の要件とのことだ。

「企業によっては秘密保持に関する独自の規定を設けているケースもあるのでご注意を。営業秘密を漏洩すると損害賠償や業務の差止めを請求される可能性もあります」

前職で得た情報を披露する際には、やっぱり慎重になった方がよさそう。では、転職ではなく、自ら部下や同僚を引き連れて独立し、競合サービスを始めた場合は?

「判例上は、企業の利益よりも職業選択の自由が尊重される傾向があります。ただし、会社に大きな損失を与えると知りながら秘密裏に有力な社員の引き抜き工作を進めるなど、悪質な行為があれば違法と判断されることもあるので注意が必要です」

前職で培ったノウハウを活かして転職するのは、僕らの当然の権利…と言いたいところだが、度を越さないよう注意すべきだということは、覚えておいたほうがよさそうだ。
(橋川良寛/blueprint)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト