オープン価格も増えてきたけど…

「メーカー希望小売価格」って何のために存在するの?

2011.04.07 THU


家電量販店の値札でよく目にする「メーカー希望小売価格」。店側はこのメーカー希望小売価格と実際の販売価格の「2つの価格」をあえて併記することで、値引率をアピールしているケースが多い。だが、そもそもこの希望小売価格とは何なのか?

簡単にいえば、メーカー希望小売価格とは「この商品はこれくらいの値段で売ってほしい」というメーカー側の小売店に対する“希望”を示す参考価格のこと。商品外装に表示されたり、CMで宣伝されることも多い。ただ、あくまで参考価格のため拘束力はなく、実際の販売価格は小売店が自由に決めているという。ではなぜ、メーカーは希望小売価格を設定するのか?

ひとつにはメーカー側が考える「商品価値に見合う価格」を明示することで、商品のブランドイメージを守る狙いがある。また、拘束力がないといっても、実際は多くの小売店が希望小売価格を基準に販売価格を決定しており、一定の影響力を保持してきたといわれている。だが、近年は量販店やディスカウントストアの台頭、価格競争の激化によって希望小売価格と販売価格の乖離が目立つようになってきた。そこで登場したのが「オープン価格」である。消費者に「たたき売り」的な印象を与え、ブランドイメージ低下を招くことを憂慮したメーカー側が2000年代以降にこぞって導入したのだ。オープン価格の場合、メーカーは参考価格を明示しない。小売店は仕入額にコストや利益を上乗せし販売価格を決めるのだが、基準の価格がないぶん、各店の裁量はより大きくなる。当然「何%引き」などの表示もできなくなる。

オープン価格移行の波は家電業界だけでなく、食品・飲料業界などにも広がっているといわれている。目安となる価格が存在しないオープン価格が常態化すれば、消費者側にも適正価格を見極める「目利き力」が問われることになるのかもしれない。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)


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