首都圏の花火大会ほぼ全滅

花火職人「今年は売上半減」の嘆き節

2011.05.16 MON

首都圏を中心に今夏の花火大会を中止する決定が相次いでいる。現時点で中止を決めているのは「東京湾大華火祭」「江戸川区花火大会」「調布市花火大会」「横浜スパークリングトワイライト」などで、中には毎年100万以上の人出を集める伝統的な花火大会も含まれる。隅田川花火大会の開催については未定とのことだが、今年は夏の風物詩を楽しむ機会がめっきり減りそうだ。

中止の背景には被災地に配慮した自粛ムードや計画停電の影響などがあるといわれる。そこで思い出されるのが、春に巻き起こった花見の自粛論争。震災直後は都内の公園に宴会自粛を求める看板が置かれたりもした。だが「何もかも自粛するのはどうか」と方針を改める区が現れるなど、行き過ぎた自粛に疑問を投げかける声も目立った。花火大会中止が相次ぐ今回の事態にも違和感を覚えている人は少なくないかもしれない。

では、中止の影響をモロに受ける花火職人たちはどう感じているのだろうか? 全国で花火イベントの企画・演出・制作を行う丸玉屋の小勝敏克社長にお話を伺った。

「国難ともいうべき災害が起こった状況下ですから、我々としても通常通り花火大会ができるとは思っていません。ある程度の自粛は仕方ないでしょう。さらに、被災地復興に人員が割かれていることで従来の警備態勢を整えにくいことも開催を難しくしている要因だと考えられます。しかし、このような時だからこそ被災地の方々を応援し、復興の為にも花火を打ち上げることが必要です。数万人、時には数十万人の観客が訪れる花火大会には我々花火業者だけでなく、飲食業、コンビニ、ホテル、観覧船等様々な業種が関わっています。花火大会の自粛により直接的、間接的な経済活動が停滞し、日本の経済が衰退することになります」

もちろん花火職人にとっても夏の花火大会は一番の稼ぎ時。中止の影響は計り知れないものがあるようだ。

「我々が参加を予定していた花火大会のうち、約7割が中止になってしまいました。首都圏はほぼ全滅ですね。おそらく年間の売上も半減するでしょう。我々に限らず、花火業界全体が大打撃を受けています。花火大会を中止した主催者に対してだけでなく、花火大会を実施すべきかどうか考えている主催者に対してもなんとか実現してもらうよう働きかけを行っていきますが、今年を乗り切って、来年は花火大会が復活するように我々ができることをやっていきたいですね」(同)

小勝社長によれば本来、花火大会には鎮魂、復興祈願などの意味が込められていたという。様々な事情があるもののこういう時だからこそ「復興のエール」として花火大会を開催してもらいたい気もするのだが…(榎並紀行)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト