オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

ロシアがよ~くわかる本! ビジュアル編

2011.07.28 THU


『幻のロシア絵本 1920-30年代』 芦屋市立美術博物館、東京都庭園美術館 東京都歴史文化財団東京都庭園美術館・編 淡交社/2600円
歴史の表舞台から去った
クール・ロシアな絵本たち

ロシア革命後の1920?30年代に、旧ソ連で制作された絵本のコレクション。この時代、「新しい国づくりに燃える若い画家・詩人たちがこぞって絵本の制作に携わり、未来を担う子どもたちに大きな夢を託していました」と紹介文にあるように、ロシア・アヴァンギャルドを盛り込んだクールでかわいい絵本が次々と誕生していったのだ。当時の絵本の世界は、まさに“クール・ロシア”だったのである。ところが、1930年代に入ると、社会主義リアリズムの公式化とスターリンによる粛清の結果、絵本の世界も「その自由なメディアとしての息の根は完全にとめられた」。歴史から失われたロシア絵本の数々を眺めていくにつけ、時代の不幸というものを痛感させられる。

  • “近くて遠い国”を知るために

    『図説 ロシアの歴史』
    栗生沢猛夫/河出書房新社/1890円

    多くの写真や図版とともに、ロシア史を丁寧に解説した好著。ロシアが世界史に登場するのは9世紀のキエフ大公国まで待たねばならず、西のヨーロッパ諸国に比べて「遅れて出発した」。なるほど、通読すると“後発国コンプレックス”が、ロシアの歴史には必ずつきまとっている。日露の心理的距離を近づけるためにも、まずは“近くて遠い国”をよく知る必要がありそうだ。
  • 等身大のロシア人を活写

    『やってくれるね、ロシア人! 不思議ワールドとのつきあい方』
    亀山哲郎/日本放送出版協会/1365円

    1987年の訪ソ以来、ロシアと旧ソ連諸国の撮影を続けている写真家によるエッセイ集。先入観にとらわれず、ロシアとロシア人を語る力みのない文章がとても心地いい。ロシア人に最も評価の高い文学者は、ドストエフスキーではなくプーシキンであるとか、「へぇ」な話もたっぷり。口絵や各章末に掲載されている味わい深い写真とともに、等身大のロシアをめしあがれ。
ロシアがよ~くわかる本! ビジュアル編

※フリーマガジンR25 EXTRA まるごと1冊ロシア連邦特集号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=取材・文
text TETSUYA SAITO

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