オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

読めば女性がわかるかも?

2011.09.15 THU


『恋とセックスで幸せになる秘密』 二村ヒトシ/イースト・プレス/1260円
多くの女性が自己肯定
できないのはなぜ?

本書は、一見、女性向けの恋愛指南書のように見える。だが、モテない男の実存にメスを入れ、まっとうな成熟への道筋を懇々と説いた名著『すべてはモテるためである』の著者が、ありがちなノウハウ本を書くわけがない。そう、本書も前作同様に、女性向けのノウハウ本と見せかけながら、恋愛哲学とでも呼ぶべき深い考察が展開されているのだ。
まず、著者は「自分で自分のことを嫌いな人」「自分自身を、認めていない人」は、恋愛がうまくいかないことを指摘する。でもそれだけでは、自分のことは好きだけど、恋愛がうまくいかない女性にまで言葉が届かない。
そこで著者は、「自分を好き」を「ナルシシズム」と「自己肯定」の2種類に分け、両者の違いを女性の恋愛心理に踏み込んで事細かに解説していく。この両者を区別する手さばきは、本書の読みどころの一つだ。
結論としては“「自己肯定」がいい恋愛への条件”ということなのだけど、凡百の恋愛指南書と本書が異なるのは、女性がうまく自己肯定できず、恋愛不全になる原因を、本人だけの責任とせず、ヤリチンやオタク男性との関係、女性をしんどくさせる社会の変化、さらには親子の問題にまで踏み込んで説明している点だろう。
多くの女性が自己肯定できない構造的な要因が現代にはある。女性とつきあう側だって、そのくらいのことは本書で知っておかないと、「恋とセックスで幸せになる」ことはできない。ゆえに、まともな恋愛をしたい男性にとっても、本書は有益なことこの上なし、なのである。

  • 秘密のヴェールをはがしてみれば

    『女子校育ち』
    辛酸なめ子/ちくまプリマー新書/819円

    女子校は男には閉ざされた聖域だ。その内幕を人気コラムニストが、ウィキリークスも真っ青の明け透けさで公開した好著がこちら。著者自身が中高6年を女子校で過ごしており、随所に女子校への愛がにじむ。女子校のタイプ分け、価値観や恋愛事情など、そのディテールに富んだ内容はかなりのインパクト。きっと読後はまた一つ女性について詳しくなっている…はず!?
  • 失うことの切なさと向き合うために

    『みんないってしまう』
    山本文緒/角川文庫/460円

    ちょっと背伸びしてアダルトな世界をのぞくには、こんな本もいいかもしれない。名手が綴る12の物語は、いずれ劣らぬ見事な出来映え。半月後の自殺を決意した30代女性に起きる思わぬ一件。妻子ある中年男性が行きつけの喫茶店のバイトの子とデートをした顛末など、どれも唸らされる。一級品の短編がもたらすほろ苦い余韻から、男女関係の機微を感じ取ろう。
  • 女性の恋愛戦略を学ぶ

    『恋愛マトリックス 相手を思い通りにする究極の恋愛戦略』
    ぐっどうぃる博士/ソフトバンククリエイティブ/1365円

    女性の恋の悩みを解決するエキスパート、ぐっどうぃる博士。彼がマトリックス(図式)を駆使して恋の駆け引きを論じた本書は、男の僕らにとっても実は有用だ。女性が何に悩み、どんなことを考えているのかを知るために、アンチョコとしてフル活用できる。相手を知ることこそが勝利につながる、と古来からいわれている。恋の戦場でもそれはきっと同じだ。
読めば女性がわかるかも?

※フリーマガジンR25 293号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文

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