開発者・清水浩 慶應義塾大学教授に聞く!

東京-名古屋間を300円!? 究極のEV「Eliica」の実力

2011.09.29 THU


写真提供/時事通信社
未来のクルマ「Eliica」と清水教授。試作段階で市販はこれから。開発への思いは、著書『脱「…
たしかに環境にはやさしい。でも、スピードは出ないし、加速も期待できない。電気自動車のそんなイメージを吹き飛ばす車がある。「Eliica(エリーカ)」だ。最高速度は時速370km。加速はポルシェ911ターボを超える。しかも航続距離も長く一充電で300km走り、70%回復に30分と充電時間も短い。さらに100円の電気料金で約100kmの走行が可能。東京から名古屋まで300円ほどで走れてしまうのだ。

この「Eliica」開発プロジェクトで、技術チームを率いてきたのが、清水浩慶應義塾大学環境情報学部教授。あったのは、逆転の発想だ。

「電気自動車の開発の壁は、電池のエネルギー性能のアップでした。でも、電池のエネルギーがもともと少ないなら、それを前提に開発すればいい。車自体を電気自動車に見合った形にすればいいと考えたんです。そもそも人々が車に求めているのは3つ。加速感、乗り心地、スペース。それを、より実現させることを考えただけです」

例えば、車輪に直接モーターを入れる。そうすることで、これまでモーターと車輪の間で発生していたロスがなくなって、加速感を高められる。車体も軽量化できる上に、省略できるパーツが発生するため、広い車内スペースを確保できる。タイヤを8輪にしたのも、カーブでの安定性を高めるためだ。

「単にガソリン車を改造して、動力を電気にしただけでは魅力がないでしょう。性能も最先端、ガソリン車にない面白さもないと。そういう視点で開発を続けました」

実は開発のゴールは既存の車の発想を超えるものだという。

「まだ車の形をしている時点で、私にとっては不出来なんです。今の車の形はエンジンを載せるために都合のいい形が追求されただけですからね。これから考えるべきは、人間が乗るために本当に都合のいい形を作り出すことです」

目指しているのは、車を超えた車、なのだ。
(上阪 徹)


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