太陽光発電が注目されてるけど・・・

夢のクルマ“ソーラーカー”実用化のリアリティは?

2011.09.29 THU


8月に行われた国内最大規模のソーラーカーレースで3連覇を達成した玉川大学のハイブリッドソーラーカー。黒い部分がソーラーパネル
原発事故の影響もあり、最近注目を集めている太陽光発電。昔から「夢のクルマ」として研究されているソーラーカーも、この流れに乗って一気に実用化、なんてことになるのだろうか?

「ソーラーパネルで集めた太陽光を電力に変換させてモーターを回す。これがソーラーカーの仕組みです。実用化に向けて問題なのは変換効率。地上に到達する太陽光のエネルギーは1平方メートルあたり1kWですが、どんなに優れたソーラーパネルでも、そのうち36%程度しか電力に変換できません。車体にびっしりソーラーパネルを貼っても、せいぜい3平方メートル。つまり1kW程度しか電力は得られないんです」

そう教えてくれたのは、数々のソーラーカーレースで優勝経験を持つ玉川大学ソーラーチェレンジプロジェクトを率いる小原宏之教授。1kWを馬力に換算すると約1.4馬力。市販されている軽トラックでも最高出力は50馬力程度あるので、これは何とも心もとない。

「ソーラーカーの仕組みは、実は市販されている電気自動車と変わりません。電源を太陽光から得るか、家庭用プラグから得るかが異なるだけ。ですから、すぐに市販車ベースのソーラーカーを作ることもできるでしょうが、よく晴れた日にたっぷり充電しても近所を走っただけで止まってしまいます。まったく実用的ではありません」

でも、玉川大学のソーラーカーはレースで3日間に1000km以上も走ったと聞きましたが?

「それは私たちのソーラーカーが太陽光と水素のハイブリッド車だから可能なんです。水素をエネルギーとする燃料電池を併用すれば、雨の日や夜も走行できますからね。私たちの研究所では、化石燃料を使わずにバイオマスから水素を生成する研究も進んでいます」

太陽光だけに頼ったソーラーカーは現実的ではないみたい。太陽光発電の弱点を補う燃料電池との組み合わせにこそ、ソーラーカーの未来があるようだ。
(中島亮)


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