クルマはどんどん軽くなる?

鉄鋼メーカー“軽くて強い”次世代ボディーを開発

2011.09.29 THU


上は東レが発表した炭素繊維が素材のEV車。右下は鉄鋼メーカーが開発した次世代ボディー。左下はその実車イメージ
写真提供/上:東レ、下:JFEスチール
今年5月、世界の鉄鋼メーカー17社で構成する「ワールド・オートスチール」が、超軽量の車体設計を発表して話題となった。この車体は電気自動車やプラグインハイブリッド車に対応したもので、同クラスのガソリン車より35%も軽いという。「そんなに軽いともろいのでは…」と思ってしまうが、現時点での世界最高レベルの安全・環境基準も満たしているという。マサチューセッツ工科大学の試算では、10%の軽量化で燃費は5%向上するそうなので、今回の車体開発によって、17.5%の燃費向上が期待される。しかし、なぜ自動車メーカーではなく鉄鋼メーカーが車体開発を行うのか?

同プロジェクトに参加したJFEスチールの西村恵次氏によると、「鉄鋼メーカーは、素材だけを売っているわけではなく、新車に合わせた鉄の選び方や加工方法などを提案しています。そういった意味で、今回は鉄鋼メーカーとして燃費向上へどんな貢献ができるかをアピールする意味合いがありました」とのこと。

とはいえ、軽量化による燃費向上ならば、アルミやカーボンがすでに活用されている。あえて鉄を使う必要があったのだろうか?

「高級車にはアルミやカーボンが使われますが、費用は鉄の3~10倍。それに、衝突エネルギーを吸収する安全性、加工のしやすさなどバランスも鉄の方が上です」

今回は強度の高い「先端ハイテン鋼」がさらに進化。高温に加熱すると同時に、金型内で急冷することで強度を高めるホットプレス工法なども組み合わせてより強度を高め、軽量化に成功した。

「強度を高めると加工がしにくくなります。高い強度と加工のしやすさを両立した先端ハイテン鋼の進化が軽量化のカギでした」

西村氏いわく「理論上、より性能がいい先端ハイテン鋼の開発も可能」とのことなので、軽量化はさらに発展しそう。エコを支える新技術から今後も目が離せない。
(笹林司)


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