ギリシャの国債金利は日本の20倍!

僕らの財布に迫る危機ユーロ危機、最悪のシナリオ

2011.11.02 WED


格下げに神経を尖らせるイタリア首相。EUでは金融機関への公的資金注入に加え、イタリアやスペインの国債買い支え案も浮上している
画像提供/時事通信社
世界同時株安が続いている。背景にあるのが、ユーロ危機だ。発端はEU加盟国ギリシャの財政危機。自力返済が困難なほど国の借金が膨れあがってしまった。しかし、なぜそんなギリシャを欧州各国は助けようとするのか。それはユーロ圏の大手金融機関が、ギリシャ国債を大量に保有しているからだ。破綻すれば国債は紙切れ。金融機関は巨額の損失を被ってしまう。日本のバブル崩壊でもそうだったが、金融機関の危機は経済に壊滅的な影響を与えかねない。

だが、ギリシャ支援にもたついているうちに、不安は借金が多い国、イタリアやスペインに飛び火。イタリア国債は大きく格下げ。これが金融への不安も広げてしまう。

10月10日、フランスとベルギーに経営基盤を置く金融大手デクシアが破綻。ギリシャやイタリアなど、借金に苦しむ国の国債を大量に保有していた。そのため、金融機関同士で資金をやりとりする市場で、お金を借りにくくなり、資金繰りに行き詰まったのだ。

当面の最悪のシナリオは、金融不安から銀行がお金を貸せなくなり、借りられなくなった企業が倒産、深刻な不況につながっていくこと。それを回避するべく、公的資金注入の準備が進んでいる。

日本も対岸の火事ではない。日本が主要な輸出先としているアジアは、欧米向けの輸出で成長している。ヨーロッパの経済悪化は、新興国の輸出減につながり、景気にブレーキがかかる。アジアの成長鈍化はそのまま日本を直撃するのだ。

また、危機を背景にますます円高が進む。ユーロ圏には、日本の代表的な輸出製品である自動車等の競合がひしめく。トヨタ自動車は1ユーロ1円の円高で連結営業利益が年60億円の減益になるという。今の水準が続くと事前の想定から年間1000億円近い利益が吹き飛ぶ計算になるのだ。

企業の業績が悪化すれば当然、給料その他にも波及する。危機回避、要注目である。
(上阪 徹)


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