出世できない? 居心地が悪くなる?

勤務先が吸収合併されてしまったら

2012.03.01 THU


2011年の日本におけるM&Aでもっとも大規模だったのは、1兆1086億円が投資された武田薬品工業によるナイコメッド(スイス)の買収
画像提供/Kenya Chiba/アフロ
超円高を背景に、日本企業による海外企業のM&Aが活発化している。トムソン・ロイターの調査によれば昨年の買収金額は690億4400万ドルと過去最高。一方で、大手家電メーカーのハイアールが三洋電機の白物家電事業を買収するなど、中国企業による日本企業の買収も相次いでいる。

日本におけるM&A件数自体はここ数年減少傾向にあるが、「もし自分の会社が買収されたら?」という不安は、R25世代のビジネスマンにとって決して他人ごとではないようだ。勤務先が外資系企業に買収された佐藤賢さん(仮名・28歳)は、職場の変化をこう語る。

「トップの交代で経営方針が一変したことで、プライドの高い役員や古参社員は次々辞めていきました。部署内の人員も半数が入れ替わったので、感覚としては実質上の転職に近いですね。新体制派と旧体制派ができ、“どっち側か”で人間関係が左右されるのが面倒ですが、個人的には新しい上司とウマが合うので、買収されてからの方が仕事がしやすい。しがらみの少ない20~30代なら、新しい環境にも馴染めるのでは」

その反対に、外資系メーカーに務める田中浩さん(仮名・32歳)は、勤務先が国内企業を吸収したことでストレスが増加したとか。

「初対面の相手でも5分話せば、言葉遣いで“どっち出身”かスグ分かります。買収した側>された側で上下関係ができるかと思いきや、部署レベルでは“人数の多い方”が主導権を握って自分たちのルールを優先するので、逆に元々いた従業員の居心地が悪くなるケースもありますよ。上層部の人事異動も激しくなるので、目をかけてくれていた上司が会社を去って、出世の可能性が下がることも。会社の業績は上がってますが、僕自身は転職を考え中です…」

M&Aが企業にどんな結果をもたらすかはケースバイケースだが、「異文化の衝突」に備えて柔軟性だけは養っておきたい。
(呉 琢磨)


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