「軽自動車は不公平」ってなんのことやら

米ビッグ3が軽自動車に難癖のワケ

2012.03.01 THU


軽自動車規格は『長さ3.40m×幅1.48m×高さ2.00m、排気量660cc以下』。税金や保険料、高速道路料金などが普通車よりも安く設定されている
イラスト/藤田としお ※参考/日本自動車工業会の自動車統計月報
軽自動車は廃止すべき─。実はこれ、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉への日本参加について、米通商代表部が意見を公募した際に、“ビッグ3”と呼ばれる米自動車大手3社から寄せられた声だ。言い分としては『日本は独自規格である軽自動車を優遇しているが、すでに国内市場の30%を占めている軽自動車が優遇措置を受ける理由はない。日本メーカーの保護になっており、不公平だからやめるべき』ということらしい…。

これについて、調査会社TIWで自動車セクターを担当する高田悟シニアアナリストは「ビッグ3は日本のTPP交渉参加に、現時点では反対を表明しています。この要請も反対ありきの発言でしょう」と語る。実は、意見書で軽自動車に触れられているのは、文字数にするとわずか400字余り。他にも、様々な意見と要請が述べられている。簡単にまとめると『日本は規制強化や通貨操作を行い、非関税障壁を高めている。だからもっと市場を開放すべき』という内容で、軽自動車規格の撤廃もそのひとつのようだ。しかし、日本自動車工業会などは「日本が輸入車に課している関税は0%。日本は開かれた市場」と反論。交渉は難航かと思われたが、舌の根も乾かぬうちに米自動車大手が撤廃要請を取り下げたとの報道が…。どうやらビッグ3は、TPPに参加する新興国にアメ車を売りたくてウズウズしているようで、協議が長引きそうな要求は取り下げて、TPP交渉を早く進めた方が得策と判断したようだ。

なんともめまぐるしい動きだが、これはまだ、日本をTPP交渉に参加させるかどうかを決める段階で、しかも自動車分野に限った話。アメリカ側は、農産物や保険も事前交渉の重要テーマとして市場開放を求めていく構えだ。

国益とともに、各産業への影響もしっかりと見極めていく必要があるTPP。今後も、難しい交渉が続きそうだ。
(笹林 司)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト